ジラートミッション13「 神々の扉トゥー・リア」
展開が早い!,と思うのだった.
「ロ・メーヴ」の「扉」を開けるために再度「流砂洞」に潜り,カギと思われる「青水晶」を手に入れた.
カギを片手にさっそく扉を調べると,
ア「最後の決着,つけにいくんだろ?」
と,あの二人が現れる.あれ? 弱音を吐いていたはずなのに,急にやる気満々でどうしたのアルド.さては妹に諭されたかな.
ザイドが普通に居るのは・・・ストーカーだから仕方が無いか(笑)
「青水晶」をかざすと扉は音もなく消え,
その先の短い階段を上がると,
何かの装置が待っていた.
何かあるはずだと周囲を調べるも何も無く,途方に暮れたその時,
?「・・・お待ちしておりました」
美人さんキタ.
回想シーンで何度も姿を拝見した彼女は,自らを「イブノイル」と名乗る.暁の女神に仕える「暁の巫女」だ.
彼女はまず,クリスタルの真実について語り始めた.
地中に眠る5つの「真のクリスタル」に対し,我々が普段目にする「クリスタル」は「紛い物」なのだと彼女は言う.
ジラート人は,「真のクリスタル」から得られるエネルギーを「属性ごとに分割し,小型の結晶体に封じ」たものを利用していたが,1万年前のあの事故「メルト・ブロー」によってそのエネルギーは飛散し,原生生物の体内に蓄積され結晶化してしまった.
それが「小クリスタル」.「粗悪なレプリカ」.
なるほど,敵を倒すと稀に「小クリスタル」が手に入るのはこの理由からだろう.それに,今まで良く分からなかった「5つのクリスタル」と「8属性」の関係も(ちょっと強引だが)説明できる.良く出来た設定だ.
元々は5つだった「真のクリスタル」が8属性に分割され,それらが偏りを持って蓄積されてしまうことで,5種族は各々「機能障害」を持つに至った.
「エルヴァーンの驕慢,ミスラの嫉妬,タルタルの怯懦,ヒュームの無知,ガルカの憎悪」.これは「呪い」ではなくメルト・ブローの「後遺症」なのだと言う.
ジラートの王子たちが人間を忌嫌うのは,我々が「神の扉」計画によって生み出された失敗作だからだろう.そして「クリスタルの5戦士」は「真のクリスタル」から生み出されたもの.ジラート人にとって「クリスタルの5戦士」こそが純血であり正当だ.
だが,もし「神の扉」計画が成功していたら・・・ 我々は「クリスタルの5戦士」のような生物になっていたのだろうか.1万年前に「人間はどうなってしまうのだろう」とイブノイルは言っていたが,これが答えなのかもしれない.
イブノイルは少し擁護するかのように,「完全なるものに憧れるエルドナーシュの気持ちも理解できなくはありません・・・」と言う.確かに,30年前の「ザルカバード調査」を巡る人間たちの争いや謀略は醜く,見るに堪えなかった.
しかし,これまでの「古代人」と同様に「暁の巫女」も言う.我々には「否やをとなえる権利」があると.世界の命運を決めるのはジラート人ではなく我々現人類なのだと.
1万年の時が過ぎた今,ジラート人はこの世界の主人では無いのだ.
「トゥー・リア」へ至る装置を起動したイブノイルは,最後にこう言い残す.
「ジラートの民を古の呪縛より・・・クリスタルより解き放ってください」
「神の扉」計画の失敗は,真世界へ至るどころか現世界を狂わせてしまった.ジラート人にとってこの世界は彼らの失敗の証であり,失敗は正さなければならない.過ちに対する贖罪ではなく,失敗を無きものにせんとする自尊心と執着心.これこそがジラート人の1万年に亘る「古の呪縛」なのでは無かろうか.
装置の起動によって,
「トゥー・リア」への道は拓かれ,
こうして「神の扉」へ辿り着く.
この部屋の床は透明な素材でできていて,はるか下の雲海が見える.
ここが「空の浮島」の一部である事は明らかだった.
通路にも透明な床が張られていて,歩くと奇妙な足跡が残る.
1万年前の高度な技術により作り出された不思議な空間だ.
目の前の扉を潜ると外に出,
目の前には,青い空を背景にして巨大な尖塔が天を衝いていた.
アチコチを覆う緑が,1万年と言う時を思わせる.
後を追うようにあの二人もやってきた.
彼らも巫女に認められたのだろう.
いつも通りのキザな台詞を吐くザイド.やる気は十分なようだ.
ライオンが居ない事が気がかりだが,このようにして3人は思い思いの方向へ分かれるのだった.
「また,会おう」と言葉を交わして.
続く.