ジラートミッション16「宿星の座」その4
え?なんで?,と思うのだった.
マジックバーストの一撃を喰らい,己の限界を知るジラート王子.
だが,タダでは終わらない.
エ「こうなったら,現状のまま不完全なクリスタルラインを稼働させてやる!!」
憑りつかれたように機器を操作し始めるエルドナーシュ.
エ「おまえ達はよくやったよ.・・・でもね,これで終わりさっ!」
メルトブローを引き起こすべく,クリスタルラインからの不安定なエネルギーの流入が始まり,
ザ「・・・なんという光景だ」
莫大な力がトゥー・リアの中心にあるクリスタル「神の扉」(?)へ注ぎこまれる!
エ「もう間もなくすべてが終わる,僕の夢とともに」
再度のメルトブローはトゥー・リアに壊滅的な被害を与えるだろう.ジラート人が見た幻は,その王子の手によって消え去ろうとしていた.
そして,メルトブローはもう一度世界のカタチを変えてしまうだろう.
ア「なんてこった・・・ このまま終わっちまうのかよ」
ザ「もはやこれまでか・・・」
誰もが終わりを予感したその時.
ひとりの戦士が絶望に立ち向かう.
ラ「ごめん.あの約束・・・守れないかもしれない」
彼女は分かっていたのだ.王子の暴走を止める手立てを.
彼女は知っていたのだ.あの場に居たのだから.
駆け出した彼女はそのままクリスタルへと飛びこみ,
光となる!
答えは最初から分かっていたのだ.
なぜラオグリムを倒さねばならなかったのか.
なぜラオグリムを倒すように仕向けられたのか.
エ「なんだこのノイズは!?」
ラオグリムはクリスタルに触れる事によってそのノイズとなり,「神の扉」復活の妨げとなった.
彼女はラオグリムの替わりになる道を選んだのだった.
自らの策に溺れた王子の希望は,
このようにして,ひとりの戦士の手によって潰えるのだった.
エ「くそ,もう一度だ,もう一度・・・」
諦めきれない王子の最期の足掻きは,
ひとりの声によって押し止められる.
イ「これ以上この世界を・・・ ヴァナ・ディールを痛めてはいけません」
イ「なにものにも終わりはない・・・ ただ,カタチを変えるだけ」「あなたにも,その時がきたのよ」「さあ・・・」
幼子をあやすかのようにイヴノイルは告げる.
その言葉を聞いた王子は,
操り糸が切れたかのようにその場に倒れ,
安らかに目を閉じたまま,
静かに,ここではない何処かへ消えていく・・・
やはり,彼はこうなる事を望んでいたのでは無いか.ジラート人が見た夢を追い求める事に,どこかで疲れ果ててしまったのでは無いか.そう思えてならない.
1万年と言う時の重みに押しつぶされ,1万年と言う時に取り残されたエルドナーシュは,死ぬべき時を逸した亡霊.1万年前に生きた人々の残影.1万年前の夢の残滓.
ジラート人の幻影は,このようにして消え去ったのだった.
イ「また会いましょう.真のクリスタルの戦士たち・・・」
すべてが終わると,明星の巫女は意味深な言葉を残して,
去っていくのだった.
その後.
ア「ジラートのヤツの計画は阻止できたな.お前達のおかげだよ」「それと,ライオンのな・・・」
え?
ザ「こころから礼を言おう,この地に生きる,あらゆる生命を代表して・・・」
ええ??
ア「先に行くぜ」「じゃあな」
ザ「いずれまた会おう,勇者達よ」「我らが祝福の地,ヴァナ・ディールにて」
えええ?????
ライオンの事,それだけで良いの???
随分とアッサリし過ぎじゃないの???
特にザイドは闇の王の間に居たんだから,ライオンと同じ結論に至っても良かったんじゃないの!?!? 「もはやこれまでか・・・」じゃなくね??(笑)
と言う疑問を置き去りにして,伝説が始まる(笑)
役目を終えたトン・ベリも,ここではない何処かに逝ってしまったのだろう.
唄に言う「輝くひとつの星」とは,今回はライオンの事だったのだろうか.
FFXI の物語はこの唄とともにあり,この唄の如くに進んでいく.
次もまた,大きな災いとひとつの希望の話になるのだろうか.
ライオンはクリスタルに消え,クリスタルと共にある.
ライオンが居る限り「神の扉」が開くことは永劫無いだろう.
ジラートの幻影は,その黒き影は,「輝くひとつの星」の光によって打ち払われたのだった.
「ジラートの幻影」(完)
なのかな?