ウィンダスミッション9-1「死者の人形」その2
かつてこれほど運の悪い時があっただろうかいやあった,と妙に納得するのだった.
アイテムがドロップしなくてハマった件.参った.
アジド・マルジドとアプルルの父,「ゾンパジッパ」からの救援の手紙が偶然手に入った.彼は「ボヤーダ樹」のどこかに捕らえられているらしい.
ウィンダス存亡の危機的状況ではあったが,小悪魔アプルルからの頼みを断れようかいやできない.さっそくボヤーダ樹へ向かうのだった.
Lv74 忍.
さすがにウィンダスミッションの最終盤と思われるので,ボス戦を見越して経験値を稼ぎながら目的地へ向かう事にした.あと探索.
ホームポイントがある最奥地周辺の敵は「丁度」~「強」あたり.
ドーモ君が「強」にあたるので積極的に狩りたかったが,Lv99 の高レベルプレイヤも狙っているらしく,闘えたら闘うくらいのボチボチ具合でお互いに獲物を狩った.
ドーモ君は「範囲沈黙」を使うので正直闘いづらい敵ではあるのだが.
他には黒マンドラ.
「範囲睡眠」を使うので以下略.
この2種の敵が訓練本の討伐対象になっているので,ギスギスオンラインにならない程度にボチボチ狩った.
ボヤーダ樹は何度か訪れているが,雨や雷属性になり易い土地のようでエレメントを良く見かける.場所によっては雷エレが 2体ウロウロしている場所もある.
エレも若干強いので,見つけたらクリスタル集めも兼ねて積極的に狩った.
折角なのでマップの東西・北にある「滝」を下ってみる事にした.
まずは西.
と言うか,北と東はだいたい落下地点の想像が付いている.
あー,なるほど.
入り口の途中で探索を切り上げたマップに出るのか.
なんて呑気にマップを見ていたが,周辺の敵が「強」なので,絡まれる⇒リンクしたら大変な事に気づき,慌てて MGS 忍術を唱え奴(笑)
基本的に「滝」の上のマップと強さは変わらないが,アクティブな敵が増えていた.
ドーモ君もイモムシもアクティブで安全な狩り場所を探すのに苦労しそうだ(と言うか,後でまたここへ来る事になり,実際に苦労した).
折角なのでウロウロしながら探索したが,マップには無い通路(上段)がチラホラあった.ただ,あちこちを歩いたがそこへ至る道が見つからない.
「このマップには更に奥があるんだぞ」的な雰囲気を醸す演出で,実際に行ける場所ではないのかも知れない.
他の「滝」も行ってみたが,予想通りの場所に降りたので割愛.ゾンパジッパが居ると思われる目的地へやってきた.
木の根が天然の牢のようになっている場所で,その前には看守のごときマンドラゴラが居る場所だ.この通路の入り口はマップに描かれていない.
話しかけてみたら予想通りに以前とは異なる反応を示したのだが,「なにかを欲しがっているようだ・・・」のメッセージの「なにか」が分からない.
さっぱり対象アイテムが分からないので,取り敢えず同じマップの敵がドロップするアイテムなんじゃないかと「植物だし水か?」「いや土か?」「苔とかどうだろう」的にアレコレ試したが,ダメ.
他にヒントも無く途方に暮れ,仕方がないのでネットで調べた.
ら,惜しい!
ボヤーダ樹にいるドーモ君が落とすアイテムらしい.と言う事で,さっそく狩場をアチコチ移動しながら 2 時間かけて狩りをする.ボチボチではなく積極的に狩らないといけないからだ.
が,まったくドロップしない(泣)
「いやいや,AF 宝箱用のカギドロップ待ちで 2 時間は普通にあっただろう特にベドー」と遠い目をしながら黙々とドーモ君を狩るがそろそろ不安になったので,再度ネットで調べたら,
「聖地ジ・タ」にいるドーモ君もドロップするらしい.
と言うか,ボヤーダ樹のドーモ君はドロップ率が低いっぽしい,なんならボヤーダには 2種類のドーモ君がいて落とさない方のドーモ君を 2 時間狩っていたらしい.
Oh...
結局,ジ・タで 20 匹,時間にして 15 分くらいで目的のアイテムを手に入れる.
ちな,ボヤーダ樹側でドロップするドーモ君は 2 匹しか確認できずリポップ待ちしなければならないので,だんぜんジ・タがお薦めだ.何しろ大量に居るし,Lv74 から見て「練習相手にならない」からサクサク倒せる.
ただ,今回はほぼノーヒントな事もあり,個人的には「同じマップの敵」の方が分かりやすいと思うのだが,なぜこのようなアイテム配置になったのだろう.攻略情報がある前提なのは少しキツイな,と感じるのだった.
手に入れた「腐葉土」を看守マンドラに渡すと中に入れてくれる.
ずーっとこの場所に居るから飽きたのか,お腹が空いて耐えられなかったのか.袖の下で牢に通してくれるなんて,マンドラお主も悪よのう.
居た.
しかも(何年ここに居るのか知らないが)元気そうだ.
元気そう過ぎてむしろ不遜だ(笑)
ゾ「仕方あるまい,名乗るとしようか」「20 年前,ウィンダスに偉大なる勝利をもたらした,高名・異才・美麗の3拍子揃ったタルタルとは我のことなり」
・・・なんとなく,子供たちに嫌われる理由が分かってきた気がする.
ゾンパジッパは死んだと思われていたが,カーディアンたちに攫われてここに囚われていたらしい.
このあと彼に話を聞いても攫われた理由は分からなかったが,カーディアンの生みの親である彼の,カーディアンを知り尽くした知識と手腕を封じるためだったのでは無いかと思う.例えば,カーディアンを封じるためのカーディアンを作らせないためとか.
ゾ「もしも,おまえが助けに来たというならば,助けられてやらんわけでもないが・・・?」
・・・帰るか(笑)
そもそもカーディアンたちがなぜ手の院院長アプルルの言う事を聞かないのか,と言うような話になり,
下手に知能を与えるようなことをするからカーディアンたちは碌でもない事をしてしまうのだ,的な結論に至る.
ゾ「そう,生みの親である我を,こんな辺境の地に捨て去るなどもってのほかだ!」
・・・カーディアンの生みの親であり元手の院院長が言っても説得力無し.そう言う仕組みにしたのは誰なのかと小一時間問い詰めたい.
さて,ゾンパジッパは「賢者」であるから「答えられぬことなどない!」と,アプルルの質問に色々答えてくれる事になった.
まずは,「カーディアンはなぜ反乱を起こしたのか?」.
カーディアンの「主人」は本来,手の院院長たるゾンパジッパただ一人であるはずだった.
だが,水晶大戦において獣人勢力に対抗するため,ゾンパジッパは「カーディアンの軍隊」を作る必要があった.
そこで,おそらく軍隊的規律と統制を保つため,下っ端のカーディアンがよりナンバーの高いカーディアンを「主人」と崇め従うピラミッド構造を作った.そして,最も位が高い「エースカーディアン」の「主人」をゾンパジッパにしたのだった.
だが,下の者が上に従うと言うこの命令系統が,カーディアンたちの反乱を引き起こしたのだった.「ジョーカー」と言う「王」を戴く事によって.
では,「ジョーカー」とは?
「ジョーカー」は, 20 年前にカラハバルハが作ったカーディアンだった.
当時,カラハ・バルハは「魔法塔に特別な魔道器」を作るために強くて賢いカーディアンを欲していた.
そこでゾンパジッパは「エースカーディアン」の「主人」にカラハ・バルハを加える事にした.一方で,あろうことかカラハ・バルハは「エースカーディアン」を手本にして自らカーディアンを作ってしまった.
それが「ジョーカー」.
そして,エースカーディアンに「『ジョーカー』を主人として言う事をきけ」と命令してしまった.
こうして,エースカーディアンの「主人」が上書きされてしまったのだった.なぜカラハ・バルハがそのようにしてしまったのかは分からないが.
だが,水晶大戦でカラハ・バルハは死に,よって彼の魔法人形である「ジョーカー」も死んでしまった.作った人間が死ねば人形も死ぬ.これが不文律だ.
だが,ジョーカー以外のカーディアンたちは生き残った.
(この話の流れならば,カーディアンたちが健在=ゾンパジッパは生存している事になるのに,なぜゾンパジッパは死んだ事になったのだろう).
生き残ったエースカーディアンたちは「主人」を失い混乱する.
最終的にカーディアンたちが出した答えが,「ジョーカーが復活さえすれば,問題が解決する」.ウィンダスミッションの初期 にエースカーディアンたちが魔導球を強奪したのは,ジョーカー復活のためだったのだろう.
そして図らずも,その悲願はウィンダスの子供たちと冒険者の手によって果たされる.
実のところ「ジョーカー」は復活していますがなにか.
(その手伝いは私がしましたサーセン).
ゾ「普通の魔導球では生き返らぬはずだぞ!」
(そう言えば,あの魔導球は「渦の魔道士」から「ナナー・ミーゴ」が盗んだもので,いわくありげではあったが正体を知らないな・・・).
ゾ(まさか・・・.あの時,ヤグードに奪われた・・・?)
と言う心の声を超能力で察知したのだが,「渦の魔道士」と関係するのだろうか.意味深だ.
それはさておき,当然の事ながらゾンパジッパは言う.
ゾ「死んだカーディアンが生き返ったというならば,大変なことが起きているはずだ!」.
(うすうす分かっていつつも,)大変なことって?
ゾ「無機物に『命』と『意思』を与える魔法には重大なる決まりがある」
ひとつは「魔法をかけた術者が死んだら,その魔法は切れる」.
ひとつは「死んだ無機物を生き返らせてはならない.生き返らせたならば 死した術者も『死の虚無』から呼び戻される」.
俗に言う「魔法人形の伝説」だ.
ゾ「答えは自明だな?」「ジョーカーが生き返ったならば『カラハバルハも生き返っている』はずだぞ」
それって「手の院の禁呪」のことだよね?
この禁呪は本来「ウィンダスを護るための素晴らしい魔法」であり,実際に「この禁呪を編み出した魔道士」は禁呪を用いて「ウィンダスを護った」という話が残っているらしい.
ただ,当然万能の魔法ではなく,術者が「生きているうちに寿命を削って,人形にためておくような魔法」であり,「その生命力を死した後に呼びだす」と言う原理で成り立っているようだ.
つまり,術者が与えた分だけしか生きながらえない,時限効果しか無い.復活してもいずれまた死んでしまう.
ところで,実の子供になぜ嫌われているの?(笑)
これを本人に聞くのかw
ゾ「祖国を救うという偉業をなしとげた我を父に持ったのだ,感謝すれども憎まれるわけがないであろう! アッハッハ!」
・・・
・・・・・・
最後の質問は置いておくとして,彼の話がキチンとアプルルに伝わるよう,ゾンパジッパは手紙をしたためてくれた.
尊大不遜だけど意外にマメだ(笑)
結局,彼は牢に残るのだろうか.
助けを待ちわびて手紙を書いたはずなのに,「我は捕らわれたふりをしながらも,これを好機ととらえ,自主的にここで研究を続けている」なんて事を言っていた.カーディアンたちの彼への興味も失われたようで,手紙を書いた当時はともかく,今は案外気楽に研究生活を楽しんでいるのかも知れない.アプルルのあの反応を見るに,彼を連れて行っても良いことは無さそうでもある.
かなり重要な話は手紙に書かれているのだから,これを持ってまずはアプルルの許へ戻る事にした.父が生きている事さえ分かれば,彼女も胸をなでおろすだろう.腐っても親娘なのだ.
続く.