Vana'daily

Vana'diel 一人旅の日々.ばなでいり.

年末のあれこれ

FFXI の環境が整わないので、とりあえずゲームの感想でも。誰か読みたい人が居るのかは謎だけど・・・(笑)

 

いや、でも、プレイした自分の感想なり感情なりを整理するために文章にまとめることは大事で、個人的にはとても意味のあることだと思っている(思いたい)

JUDGE EYES:死神の遺言

タイトル引用して思ったけど、結局「死神の遺言」ってなんだっけ?(笑)

有罪率 99.9% と言われる日本の刑事裁判においてその 0.1% を勝ち取った元弁護士、探偵 八神隆之を主人公としたサスペンスミステリ調の物語。プレイヤは八神となり、彼の住む神室町で数か月前から発生し始めた謎の猟奇殺人を追うところから物語が始まる。

被害者たちが最近勢力を伸ばしてきた関西系ヤクザの一員であったことから、殺人の背景にはヤクザ同士の抗争があると思われた。ただ一点、彼らがみな両の目が刳り抜かれた状態で発見されていた点を除けば。

怨恨? 示威行為? 快楽目的? 猟奇的な殺人の理由を追う八神は、やがて自分が弁護士を辞める原因となった 3 年前の事件に至る。あの時にいったい何が起こっていたのか。被害者はなぜ猟奇的に殺されなければならなかったのか。先に進めば進むほど次々と生じる謎は、いつしか予想もしなかった真実を明らかにしはじめ、八神は事件の背後に巨大な闇の存在を知ることになる。

と言うような物語。ゲーム自体は、精巧に作られた「神室町」という架空の町のなかを縦横に動き回って大量のサブクエストを任意にクリアしつつ、メインストーリのイベントを進めていくオープンワールドゲーのような感じ。オープンじゃないけど。このシステム自体は「龍が如く」シリーズと同じらしく、主人公をヤクザから探偵に挿げ替えたと言え、ゆえに「キムタクが如く」と巷では呼ばれている。「龍が如く」を全然知らなかったので後付けの知識だけど。

主人公の八神は、元弁護士の探偵という特殊な位置づけ。出自自体も特殊で、ヤクザの親分(オヤジ)に育てられて弁護士資格を得たり、謎の武術を体得していたり、と、謎属性がてんこ盛りな主人公だ。当然女性にもモテる(笑) その背景もあって、探偵と言いつつ腕っぷしで物事を解決することが多く、探偵と言いうよりヤクザだよなーと思いながらプレイした(笑) システムが同じだから仕方がない(仕方がない)。

八神は木村拓哉氏(キムタク)が演じており、外見も動きも声も本人そのものである点がこのゲームの目玉の一つだ。発売当初は結構話題になった憶えがあるし、プレイした最初の感想も「おおーキムタクだ」だった(笑) 他にも実在の俳優何人かが本人そっくりのアバターとして登場するのだが、このゲスト出演?は龍が如くシリーズで毎回恒例らしい。

個人的には「実在だろうが非実在だろうが面白ければよい!」と思ってプレイを始めたのだが、このアバターが意外に好い(笑) 特にキムタクの演技、おそらくモーションキャプチャーしただろうその所作や声の演技が好い。後半は感情移入も相まって、八神(キムタク)かっけーーー!!ってなった。特にキムタクファンではなかったが、プレイし終わった後に少しファンになった(笑) さすが一時代を築いたアイドル。今度主演のドラマがあるらしいので見たい。

ゲームのメインストーリーは起伏が激しく、だれが事件を起こしたのか、なぜ事件を起こしたのかがなかなか明らかにならない状態で次々と予想外の展開が待ち受け、あるいは新たなプレイヤが現れ、どこにどう物語が転ぶのか分からずハラハラドキドキさせて飽きさせない。ヤクザと戦っている場面がとにかく多かった気がするけど(笑) 多数の癖のある登場キャラたちは、それぞれの立場に則った行動原理で主人公を引っ搔き回し、物語を彩る。終盤のカギを握るとある重要キャラを代表として、本人としての何らかの信念、正義を貫こうとして深みにはまっていく・・・と言う任侠もの的展開は熱く、切ない。いけ好かないと思っていたけれど、彼もまた漢だったのだなぁとか。

ただ、ちょっと消化不良気味な点が個人的に残念ではある。ある大きな「理由」があって一連の事件が巻き起こるのだが、犯人がこれほどの事件を起こしてしまう背景と言うか信念と言うか、その動機がグッとこない。相当異常なことを彼の正義の許に行っているはずなのだが、信念なり狂気なり妄信なり、何が彼をそうまでさせたのか的な動機が分からない。いや、理屈はわかるが感情が明確でない。犯人と同じ「理由」で犯罪に手を染める人も居るのだが、もっとその「理由」の深刻さ、人を狂気に走らせる「重さ」は物語としてもっと印象付けても良かったんじゃないかなーと思う。犯人に同情する必要はないと思うけれど、そもそも犯人を理解する必要もないかも知れないけれど、いまいち納得感が足りない印象。場合によっては、最後に八神を苦悩させる展開もあり得たのではないか。

あと、それ以上に実行犯! 君だよ君! それこそ心情を理解する必要もない猟奇的殺人鬼ではあるのだけれど、最期の姿には「君それで満足なの?」と言う疑問しか湧かずチョー納得がいかなかった。何なのあの人(笑) 

メインばかりでなくサブクエストなどもよくできていて、神室町と言う町の実在性と言うかそれっぽさと言うか、を演出してくれる。いかにもな浮気調査から始まって、行方不明の子供を探して家族の断絶を仄めかしたり、変態三銃士(笑)と対峙したり、あーなんかこんな街ありそう、こんな人たちが生活してそうと言う雰囲気を増してくれる。変態三銃士はホントどうかと思うけど(笑)

ただ、このサブクエストと言うかサブゲームにもちょっと問題があって悩ましい。まずマージャンを知らない(笑) ポーカーなんてドラクエでしかやったことがない。将棋にも勝てない。バッティングセンターでボールが当たらない(笑) 大量のゲーム内ゲームも「龍が如く」シリーズ恒例らしいのだが、どれも満足にクリアできない。実績システムなどに紐づいているのでちょっと頑張ろうと思ったのだが諦めた。さすがに最強武器を入手する条件になっていたりしない(はずな)のだが、カミナリ200回避けるとかそーゆーのマジ無理です(恨み)。

八神君は探偵であるものの立場的にヤクザと対立することが多く、またイケメンでもあるので、街中を歩いているだけで色々な強面の人から気安く声をかけて頂ける。つまり、街中を歩いていると不意にヤクザや不良に絡まれて戦闘が始まる。いくつかのボタンを組み合わせて様々な技、コンボを繰り出す格闘ゲーム風の戦闘なのだが、街中の配置物(コーンとか放置自転車とか看板とか)を手に取って即席の武器にすることもできるため、会敵した場所に応じて様々な攻撃パターンを試せるのが地味に楽しい。相手はムッチャ痛そうだけど。サブクエストを通じて街の人と仲良くなると戦闘中に助けてくれたりする(アツアツのおでんを渡してくれたり 笑)ので、サブクエを進めたくなる動機にもなる。謎の外国人忍者とか。

ちなみに、ゲーム開始時は手持ちのお金が少なく、ヤクザからカツアゲしないと牛丼を食べることすらママならない。どっちがヤクザだ!と突っ込みたくなるが(笑)、絡まれる→戦闘をする→HPが減る→何かを食べて回復→お金が減る→絡まれる→戦闘をする→と言う無限ループにはまった時は、手持ちが 1,000 円を切ったキムタクが牛丼を食べる姿に泣けた。サブクエスト(探偵業)で万単位のお金が入るから、しばらくすると楽になるのだけれど。

ちなみに、八神君は何かを食べると体力が回復するのだが、PRG の薬草の代わりにスタミナドリンクやコンビニの肉まん、弁当などを持ち歩いてこれに充てることになる。相変わらずアクションが苦手なのでボス戦では苦戦しまくるのだが、八神君は戦いながら弁当 20 食くらいを食べられる大食漢らしく、モデルとなったキムタクすげーと思わずにいられなかった(白目)

他にもプレイしていて面白いこととか目新しいことが一杯あったけれど、書ききれないので、興味がある人はぜひプレイして欲しい。残念ながら 12 月のフリープレイはもう購入期間が終わったけれど。「龍が如く」にまったく興味がなかったけど、面白いという声があることになんとなく納得した。と言うか、結構好きかもしれない。

ちなみに、JUDGE EYES は日常生活に影響を与えてくれる久々のゲームでもあった。駅前に行くと周囲の雑居ビルやそこに入っているお店が気になるようになったりとか、雑居ビルと雑居ビルの隙間にある小道の先が気になるとか、鍵のかかったドアをピッキングで開けたくなるとか(笑) このような症状になったら、きっとそれは JUDGE EYES の影響です。くれぐれも注意してプレイしましょう。

私だけか。こんなアホは。