Vana'daily

Vana'diel 一人旅の日々.ばなでいり.

アルタナミッション8「天涯の娘」

色々衝撃的なのだった。

 

ガラリグの亡骸を前に泣きじゃくるアクウィラ。

それを見たオドラールはため息を吐く。

オドラール「やれやれ・・・ こうなると、アクウィラは 子供に戻ってしまうものでね・・・」

その態度とは裏腹に、オドラールにはまったく隙が無い。

喉元に刃を突きつけられたかのようなジリジリとした緊張感に、ラジュリーズもリリゼットも身じろぎできずに居た。

ツカツカと音を立てるようにアクウィラの許へ歩み寄ったオドラールは、その首根っこをネコのように掴むと、

オドラール「リリス様に報告するぞ?」

と一瞬凄み、

慇懃無礼に会釈をすると、

「まちなさいっ!」と言うリリゼットに向け

オドラール「・・・ご覧じろ」

唐突に魔力を放った!

リリゼット「なんの手品よ・・・?」

光球に怯んだリリゼットがようやくそう言うと、やがてその光は辺りを包み始め・・・

気が付けばアトモス。

そこにはオドラールの魔力球をはるかに凌ぐ塊が浮いており、

???「・・・ご覧じろ」

の声と共に、その球の中に何かが映し出され始めた。

それは・・・ひび割れた城壁。

崩れ落ちた尖塔。

枯れ落ちた大樹。

人影の絶えた廃墟。

驚くべき光景は更に続く。

デスティン王が、

星の神子さまが、

ザイドが倒れ、

復活した闇の王が・・・。

気が付けばラヴォール村。

リリゼット「い、今のは いった・・・い・・・?」

呆けた一瞬の隙を突いてオドラールたちは姿を消し、

倒れるようにしてリリゼットも意識を失っていた。

冒険者と共に。

(もうちょっと可愛く倒れたい 笑)

 

???「・・・リリゼット・・・リリゼット・・・」

誰かの声が微かに聞こえ、思わず縋りたくなる。

リリゼット「・・・待って・・・ ねえ・・・待って・・・ わたしは・・・ここよ・・・いかないで、おねがい・・・」

ハッと気が付けば目の前にはポーシャ。

彼女が介抱してくれたらしい事に気が付くと、徐々にそれまでの事が思いだされてきた。

村が襲われたこと。

戦場は混乱を極めたこと。

避難先に誘導されたがそれは罠だったこと。

血盟軍の親衛隊に囲まれたこと。

リリゼット「・・・ポーシャ。よかった、無事で・・・」

身を起こしながら思わずそう口にする。

ポーシャ「もう、リリゼットったら。人のこと、心配してる場合じゃないでしょ?」

私は彼女を助けるためにココへ来たのだ。

いつの間にか側へやってきていた団長が、気を失ってからの事態を説明してくれた。

団長「びっくりしたんだから。あなたたち、急に倒れちゃって・・・」「ラジュリーズさまに 手伝っていただいて、なんとか ここまで運んできたのよ」

手伝っていただいて・・・?

そう言えば、助けにやってきたラジュリーズ男爵は胸に・・・。

リリゼット「ラジュリーズさまは?」

思わずその名を口にする。彼は重傷を負ったのではなかったか?

ポーシャ「それが・・・」

ハッと思いポーシャが見つめる先へ身を乗り出す。

リリゼット「!! ま、まさか・・・」

男爵の姿を見て息を呑む。

団長「だいじょうぶ、息はしてらっしゃるわ。けど・・・あなたたちを運んだ後 そのまま、倒れてしまわれて・・・」

そうだ。偽の隊員に騙されて・・・。

ドラール

冥護四衆。

紫電が胸を貫き。

アクウィラ。

くずおれる男爵。

あの時の光景がフラッシュバックする。

団長「冗談まで言ってたのよ。だから、まさか、あんな・・・」

まさか。

あんな。

団長の言葉が頭の中をグルグルと回り始める。

息をして。

倒れて。運んで。

冗談。だから。それが。

まさか。あんな。

倒れて。

まさか。冗談。息を。そのまま。

だから。冗談。

あんな・・・。

リリゼット「お・・・」

胸が苦しい。

上手く息ができない。

まさか。あんな。

団長の声と私の心臓の音が

耳の奥で混ざり合って、

まさか。あんな。

その音のような衝撃のようなモノが

頭をぐわんぐわんと

揺さぶり続ける。

まさか。あんな。

思考がまとまらないまま無意識に

フラフラと立ち上がって

思わず、

リリゼット「・・・おとうさんッ!!」

わたしは叫んでいた。

ポーシャ「お、おとうさん?」

リリゼット「おとうさんが・・・」

そのまま男爵、いや、おとうさんの許へ駆け寄るも、

身じろぎすらしないその姿に、こうなってしまったことに、どうすることもできない。リリゼット「おとうさんが・・・ おとうさぁぁぁん・・・!!」

頭の中の声をかき消したくて、

目の前の現実を塗りつぶしたくて、

とめどない涙を流しながら、

何度も何度も、

父の名を叫び続けた。

 

突然泣き叫び出したリリゼットに誰もが驚いたけれど、寄り添ったポーシャがそうするように、いつしか皆は黙ってその様を見守っていた。「どこかで頭でも打ったのかしら?」なんて軽口を叩いていた団長も次第に口数を減らし、今はただ押し黙ってリリゼットを見つめている。

どのくらいの時間が経ったのだろう。

叫びが嗚咽になりやがて鼻をすする音に変わると、リリゼットはようやく頭を上げて

リリゼット「・・・星の大樹が 枯れてたの・・・」

そう、ぽつりぽつりと口にした。

ポーシャ「え? 星の大樹? なんのこと?」

誰もが疑問に思うその言葉に、いつの間にか意識を取り戻したらしいラジュリーズ男爵が、

ラジュ「・・・惑わされるな。や、ヤツら、親衛隊は人をたぶらかすのが上手い」

そう弱々しく反応した。

ラジュ「フ、フフ・・・」

冗談めかした口調で場を和ませようとしたのだろう、ぐぅっ・・・と苦し気に息を吐くと男爵はまた気を失っていた。限界らしい。むしろ、あれだけの重傷のなかでリリゼットたちを運び出したことが奇跡に思える。

ポーシャ「また、気を失われたみたい・・・。ああ、いったい、どうしたら・・・」

心配げに彼を見やるポーシャだったが、踊り子でしかない彼女には気を揉む以外にどうすることもできない。

団長「すぐに王都へお運びしましょう」

肉体的にも精神的にも限界にある男爵には十分な医療体制が必要に思えた。

だが、当然とも思える団長のその判断にリリゼットは反駁する。

リリゼット「ダメ! この傷は、体が弱るほど、どんどんその人を蝕んでいくの。今、旅をさせたら、きっと体力が持たない」

その剣幕を見た団長は素早く決断する。

団長「じゃあ、修道院に運びましょう。あそこなら、薬草に詳しい修道士がいるはず・・・」

急を要するこの事態に、今はリリゼットに「なぜ」を問わない。団長はそう決めた。彼女はこの不気味な傷について何かを知っているらしい。傷を負った男爵、いや、父を前に泣き叫んだリリゼットが、ここで嘘を言うとは思えない。

団長「いいわね? リリゼット」

そう問われたリリゼットは、ただ不安げな表情で首を縦に振っていた。

傷の正体は知っているけれど、その治療方法は知らない。

彼女の態度はそう言っているように団長には思えた。

 

修道院への移送が終わったあと、冒険者はリリゼットに呼び出されていた。

彼女の内心を表したかのような曇天の下、リリゼットは冒険者から顔を逸らしながら話を切り出した。

リリゼット「・・・ねえ、冒険者。もう、とっくに気づいてる・・・?」

何が?と問う必要は無かった。

リリゼット「・・・そう、わたしも あんたと同じ冒険者なの。未来から来た、ね・・・」

彼女の背を見上げながら、誰かに秘密を明かしたかったのだと、そう気づいた。

リリゼット「・・・そして あの鉄鷹騎士隊長は、わたしの父 パルマ家のラジュリーズ・・・」

リリゼット「これから10年ほど後 あの傷・・・いいえ、あの呪痕が 原因で命を落とす運命なの・・・」「だから、わたしね。ここが過去の世界だって知ったとき 真っ先に考えたの・・・」

冒険者を呼び出してから長い間静かだったリリゼットは、一度秘密を打ち明けると堰を切ったように経緯を、想いを、語り始めていた。

リリゼット「父は、ジュノ攻防戦で その呪痕をつけられたって、・・・そこにさえ、父を行かせなければ きっと、負傷を阻止できるだろうって・・・」

リリゼット「・・・でも、結局、助けられなった・・・」

自分の浅はかさを悔やむかのように彼女は手で顔を覆う。彼女の脳裏にはあの時の光景が、紫電が男爵を貫く様が蘇っているのかも知れない。

リリゼット「きっと歴史が変わってきてるのよ! だって、おとうさんの日記にはラヴォール村に行った 話なんて、まったく記されてなかったもの」

これから起こる事を知っていれば父を助けられるはずだった。だが、歴史が変わってしまえば・・・もはや標(しるべ)は無い。

どうすれば良いのか見当が付かなかった。

・・・歴史を変えたモノが居る。

自分のことは棚に上げて、リリゼットは急に苛立たしさを感じた。

父を助けたいリリゼットの想いを阻む邪魔モノ。敵対シャ。

過去への侵略シャ。

リリゼット「やっぱり、あの黒白ネコが・・・!」

リリゼット「あの獣人も、わたしみたいに 歴史を変えようとしてるんだわ。しかも、獣人血盟軍にとって有利な歴史に・・・」

悲しみは怒りに変えればいい。

怒りは行動に移せばいい。 

標(しるべ)を失い絶望に打ちひしがれていたリリゼットは、天啓に打たれて瞳を妖しく輝かせる。

リリゼット「見てらっしゃい! 絶対に、あのネコをふんじばって、今度はこちらのいいように使ってやる!」

何かをグチャグチャにするかのような手つきで捲し立てるリリゼットは「そして・・・」と言って間を置くと、

唐突に右手を振り上げて力強く宣言した。

リリゼット「おとうさんを なんとか、助けてみせるわ!」

(おおぉぉぉぉおおお、この娘、面白いかも 笑)

しばらくの間ポーズを決めていたリリゼットは冒険者が居たことを思いだして一瞬赤面すると、いかにも話を逸らすように冒険者へ問いかけてきた。

リリゼット「・・・ところであんたは、これからどうするつもり? まさか あの黒白ネコとの約束を、守ろうっての?」

「嘆きの涙」を減らすことがケットCの依頼。リリゼットが頭に描いているようにネコの行為が世界に混沌をもたらすのだとしたら、それに協力することは危険と言えた。

とは言え・・・冒険者としては20年後にも残り続ける様々な悲しみの原因は取り除きたい。

そんなことを彼女に伝えると、まったく気に入らない、と言うような顔をされた。

リリゼット「・・・だーかーら! それあのネコに言われたことじゃない! こんだけ、わたしが話してるのに、あんたは!」

 

(とすると前の選択肢はどちらを選んでも同じ結果だったのか・・・とこの時は思ったのだけれど、スクショを見直して・・・もしかして3番目の選択肢があったのでは?と思った)

(一つ前のスクショは一見2つの選択肢に見えるけれど・・・実は3番目、空白が選べるのではないか? ・・・同じような選択肢トリック?は天晶堂の入り口で経験したことがある)

(いまさら別の選択肢は選べないのだけれど・・・)

えぇぇぇええええ・・・とリリゼットの反応にアタフタしていると、彼女は急にブツブツと言い始めた。

リリゼット「・・・と、待てよ。そっか! そういうことね。とりあえず あのネコの言うことを聞いてるフリしてれば・・・」

リリゼット「あいつは、きっとまた のこのこ、わたしたちに、接触してくる・・・ そういうこと、ね・・・?」

あ、はい。

リリゼット「冴えてるじゃなーい!」

何も考えずに即答すると、彼女はクルリと振り返ってニッコリと笑顔を見せた。

・・・花が咲いたようだった。

リリゼット「あんたのこと、気に入ったわぁ!」「フッフ~ン♪ わたしたち、いいパートナーになりそうね!」

え? なんと? と問う隙は無かった。

リリゼット「さあて、そうと決まれば、あのネコの現れそうな場所で いっちょ派手に暴れてみせて・・・」

隙が無いと言うか、聞く耳を持ってもらえそうに無かった。

リリゼット「『嘆きの涙』とやらを 減らしてみせようじゃない!」

彼女は冒険者のことなど既に見ていなかった。頭の中に描いたステキな夢、わたしのかんがえたさいこうのてんかいを夢見ていた。

リリゼット「フフフフフフフフフフフフ・・・」

不気味な含み笑いがラヴォール村にいつまでも響き渡っていた。

 

一方、アトモスでは・・・

リリゼットの企みなど知る術のないケットCが、あの謎の歌を口ずさんでいた。

C・コーキ「オイオイ! ヌーイ! 預言詩なんか歌ってる場合じゃないぜ!」

え?

歌を歌っているケットCをケットCが窘めた。

何を言っているのか分からないと思うけれど頭がどうにかなりそうだったぜ。

C・シャハク「コーキちゃんの言うとおりだよ。・・・アイツら、どうやって、この世界に来たのさ?」

C・トゥリ「・・・ヒョットして、ヒョットして・・・ アトモスをとおってきた、なんてことは?」

更に別のケットCが会話を続けると、

気が付けば何匹ものネコたちが車座になって話し合っていた。

C・ケッヘ「にゃははははは! トジマリを忘れたんだろ?」「ヌーイは いっつもテギワが悪いからな!  ありそうなハナシだ!」

話のほとんどは意味が分からない。

けれど、ネコたちの話をつまみ食いすると。

ネコたちは「個であり全」な存在。そして、何かの「プロジェクト」に携わっている、らしい。

それにしても何匹のネコが居るのか。

ワチャワチャしているネコを眺めながら、そのうちの一匹が話に割り込む。

C・トゥリ「ねぇ・・・ ミンナ、大事なことを忘れないで・・・」「アーンも、オフクも なんどもアブナイめにあってる、ぼやぼやしてるばあいじゃないよ・・・?」

その言葉を聞いた当事者たちは「こわかったぁ・・・」と口にする。

C・トゥリ「だ、だれかがボクたちのプロジェクトを ジャマしようとしてるのかな・・・?」

・・・邪魔モノ。敵対シャ。リリゼットと同じ思考をネコたちも口にする。

C・ヌーイ「そういえば・・・」「この間から アタクシのことをネコよばわりして 捕まえようとしている小娘がいるわ」

C・コーキ「ナ、ナンだって!? オレら、誇り高き ケット・シー族をネコ呼ばわりだと!」

C・シャハク「アヤしいね、そいつ・・・」

C・トゥリ「アヤしい・・・」

C・ケッヘ「絶対、クロだ! ソイツは何か企んでるぜ!」

ヌーイの話を聞いた仲間たちはその「小娘」がアヤしいと言い始め、

当のヌーイは、

C・ヌーイ「でしょっ? ですから みなさん、あっちは頼みましたわよ。アタクシは、その小娘と手下を見張りますわ!」

と、無い力こぶを見せつけながら張り切っていた。

C・ヌーイ「がんばるわよン!!」

そして再び光の球に包まれると、

何処かへと飛び去って行った・・・。

 

こうしてイベントが終わり、冒険者はラヴォール村の最西端、このミッションで最初に向かった扉の前に戻るのだった。

こっちが出口だったんかーい。

 

それにしてもリリゼットはクルクルと表情が変わって可愛い。思わずスクショを多めに載せてしまうくらいに。アルタナになってNPCたちの表情が豊かになった気がするのだけれど、もしかしたらリリゼットのためにその機能が増えたのかもしれない。

 

癖のあるケット・C・ヌーイに一筋縄ではいきそうにないリリゼット。

ようやく、アルタナミッションが始動したような気がする。

・・・長かった(笑)

 

ちなみに、今回の日記を書いていて(リリゼットの台詞を見て)「ラジュリース」ではなく「ラジュリーズ」な事に気づきました・・・。

が、面倒なので これまでの日記はそのまま。

それが日記だからっ! リリゼットやゾッグボッグみたいに過去は改変しないのだ!!(白目)