プロマシアミッション8-4「暁」その4
光であり生であり始まりでもある女神の涙が,物語の始まりなのだった.
「俺たちは生きるために生まれたんだッ!」 闇と共に生きる事を拒んだ男神に,闇と共に生きる事を選んだプリッシュが叫ぶ.その願いは冒険者の中にあった「母なる光」を通じて天に届き,そこから零れた一滴の涙が闇に染まった男神を優しく包むのだった.
光となって拡散した男神は,男神に吸収された数多の命は,星になって母なるクリスタルへと還っていく.
意識を取り戻すプリッシュ.
彼女にもまた,
一滴の光が
溶けていく.
プ「・・・へへへ,キレイだな.女神の涙だ・・・」
男神の一撃によって
瀕死の重傷を負った彼女も,
女神の力によって
今一度,再生する.
プ「・・・ずっと高いところで,女神は泣いてんだ.男神のことを想ってな・・・」
プ「女神アルタナの想い・・・.信頼,慈悲,正義,勇気,希望・・・」
プ「そして最後に生まれたのが,『これ』・・・」
プ「『これ』さえ知っていれば,人は生きていけるよ.わかるだろ?」
戦いが終わり,仲間たちが集う.
プ「みんなぁっ!!!」
プ「ヴァナ・ディールも,ヴァナ・ディールで暮らす人も,これでもう大丈夫だ」「それに,みんなも.人が男神の子だと知ってしまっても,絶望する必要はないさ」
プ「ほら,耳をすませてみろよ.今まで聞こえなかった声が,女神アルタナの声が聞こえるだろ?」
女神の涙を通じて,
人々は己の中にある
輝きを知る.
それは,人々が,世界が,
生きているという証.
生きるために生きている証.
プ「それは,人の中に女神の一部があるってことなのさ」
プ「人が生まれるときに女神が流した涙が,人には流れてるんだ!」
そう言って,プリッシュは少し照れる.
セルテウスは,第 5 の母なるクリスタルも大丈夫だと言う.
アル・タユの人々の命が光となってクリスタルに還り,クリスタルを救ったのだった.
超越者セルテウスは,別れの言葉を告げる.
セっちゃん「私はここアル・タユの守り人となり,君たち『人』の世界ヴァナ・ディールをずっと見守っていこう」
そして彼は振り返る事も無く飛び去っていく.
遥かなる高みへと.
(自らの命を犠牲にして「虚ろの器」から漏れ出た「完全なる闇」をその身に封じ,その後は生きても死んでもいない超越者となって,最後は人間のための戦いに力を貸してくれたセルテウス)
(彼はクリュー人であるからイブノイルの策に乗ったのだろうか.それとも・・・.イブノイルもまた,男神の復活を阻止するために命を投げ打ったのだろうか.セルテウスはイブノイルが眠るアル・タユを永遠に守護すると言う.残念ながら,1 万年前からナグモラーダの出番は無かったのではないかと,そう思っている)
プ「さぁ,俺たちも帰ろうぜ.『世界の終わり』はこれで終わりだ」
???「終わりじゃないぞ~!!!」
世界の終わりは終わったが, 3 大王の野望に終わりは無かった.
もちろん,彼らが繰り出すのはデジョン!
こうして冒険者たちは強制退場となり,
「神の楽園」には「石の記憶」が高らかに響く.
それは始まりの歌.
「死」を望んだ男神と「愛」故に彼の復活を望んだ女神の歌.
そして生まれた,世界と人の歌.
愛の讃美歌なのだった.