プロマシアミッション7-5「武士道とは」その2
プリッシュが男前すぎてツライのだった.
セルテウスが開いた「光の柱」を目指す一行だったが,トノサマ空賊ことタルトリオの計略により,冒険者とテンゼンが一騎打ちをする羽目になる.命がけの戦いを繰り広げながらもなんとかテンゼンを無力化する冒険者だったが,彼から刃を向けられる理由はさっぱり分からないままなのだった.
(3回の戦いを経て,)朝焼けに照らされるテンゼン殿の顔は,諦めの境地にも,何かを振り払ったようにも見えた.
ゴザル「やはり・・・ その光,滅することできるは 虚ろを満たしたあの少年だけでござるか・・・」
一騎打ちの最中にプロマシア調査隊(仮)の船は追いついたらしい.
プ「おいっ!!! やっと追いついたぞ!!!」
そう言って船の縁に立ったプリッシュは,
無謀なジャンプを試みる.
(ヒーーーーーーー)
転げるようにして甲板に飛び移ったプリッシュは,
テンゼン殿の無謀な戦いを収めようとする.
プ「今のおっちゃんが考えてること,俺にもわかってんだ!!! これは仁義なき戦いなんだろ!!??」
プ「霊獣フェニックスは最初から全部知ってて,知らネェふりしてたんだぞ! そんなヤツの言うこと,聞く必要はねぇはずだ!」
(まじかーフェニックスも味方じゃないのかー)
(でもテンゼン殿にとってフェニックスは,多大なる犠牲のうえで手に入れた力であり,かつ,それを振るい「闇」を払うことが使命なのだから,武士としてその道を進まざるを得ないのだろう)
(テンゼン殿には「道を誤ったら止めてくれ」的なこと(意訳)をソ・ジヤで言われたが,こうなることが分かっていたのかもしれない)
心が読めるプリッシュは何もかも分かっていたはず.ならば黙っていたプリッシュも同罪だとテンゼン殿は言う.しかし,プリッシュはそれを肯定しつつも否定する.
プ「そうさ! でも俺は,誰にもウソはつかねぇぞ!!!」「死なすために連れてきたんじゃねぇ!!!」「俺たちと一緒に生きてもらいてぇから連れてきたんだ!!!」
(男前すぎる)
その瞬間,空は紅く染まり,
冒険者一行は
召喚される.
第 5 の母なるクリスタルの許へ.
嬢「でもなぜ・・・.このクリスタルだけ,これほどに異常な輝きを放っているの・・・?」
(「光の柱」を開き,更にプロマシア調査隊(仮)のメンバを転移させる.既に底を突きかけていたクリスタルの力は限界まで減り,神都を支えるには過負荷状態なのだろう)
???(それは,このクリスタルがヴァナ・ディールのものではないからだ)
言葉と共に光が溢れ,
セルテウスが姿を現す.
セ(1 万年の昔,神都アル・タユの地下にあった,5 つ目の母なるクリスタル)
セ(神都アル・タユがヴァナ・ディールから分かたれる際,そのクリスタルも共に失われた)
神都と共に海の底に沈んだ母なるクリスタルだったが,
セ(クリスタルラインが再び起動され,5 つ目の母なるクリスタルから,その光,エネルギーが吸い出されると・・・)(このクリスタルは神都アル・タユと共に,ヴァナ・ディールに戻らざるを得なくなった)
真龍の王は 言っていた.
力を失ったクリスタルは神都アル・タユを支えられず,ヴァナ・ディールへ落ちてくるだろうと.神都に生まれた「世界の終わりに来る者」と共に.
ならば,クリスタルに力が戻れば神都アル・タユの落下は防がれ,「世界の終わりに来る者」がヴァナ・ディールに解き放たれる事は無い.
テンゼン殿は,セルテウスとフェニックスがそう考えていたのだと明らかにする.
オッチャン「かの者は,ヴァナ・ディールに残された 4 つの母なるクリスタルを巡り,その光を,その力を吸い出した」「その力をこのクリスタルへ注ぎいれるために・・・」
だが,とセルテウスは言葉を繋ぐ.
セ(・・・しかし私は,虚ろなる闇の子.光の担い手にはなり得ない)(そこで強い担い手が,君が,必要だったんだよ)
は? え??
プ「おまえも気づいていただろ? いつしかおまえにも,人の心の声が聞こえていることに・・・」「それはおまえに,アミュレットを通して 4 つの光が集まっていたからなんだ」
(確かに,いつの間にか エシャ様の心の声が聞こえていた.でも,あれはセルテウスのアミュレットを持って「心の言葉」を持つエシャ様に対峙したからだと思っていた.アミュレットが「心の言葉」を伝えるための媒介,増幅器なのだと)
(でも,そうではなかったのか.クリスタルの光が冒険者に集まることで,冒険者はプリッシュやエシャ様がそうであったように,「闇」を持たない存在に限りなく近づいたがために,ジラート人の如く「心の言葉」を持つ存在になっていたのか)
(まさか,光の戦士として役に立っているとは思わなかった 笑)
オッチャン「霊獣フェニックスは おぬしのことをこう呼んでいたでござる.母なるクリスタルの『光の器』」
そして,この母なるクリスタルの前で,砕かれるべき器だと・・・
その言葉は冒険者の死を意味していた.
(ええええぇぇぇええええええ,マ? セルテウスにも利用されていたのか.って言うか騙されてばかり?? ちょっとどうなってるの)
(でも,なるほど.テンゼン殿は一騎打ちに際に 言っていた.「人は死すれば,最も近きクリスタルの元へ還る」と.テンゼン殿はあの場で冒険者を打ち倒すことで,器に満ちた 4 つのクリスタルの力を第 5 の母なるクリスタルへ還そうとしていたのか.そして,それを自らの手で成すことが自分の使命なのだと思い詰めていた)
セ(そう,君の旅は,クリスタルのためにあったのだ)(永い永い旅は,今ここで終わりを告げる)
君の死こそが,世界と人,どちらも救う唯一の方法なのだから・・・
さぁ,還ろう,クリスタルへ.そう諭すセルテウスの手が冒険者に伸ばされたその時.
プ「でたらめ言ってんじゃねぇ!!!」
プ「セルテウス! 世界も人も,どちらも救うというのなら,俺やおまえ,人でないものが犠牲になるべきだ!」
(ヤバイ.男前すぎる.というか泣きそう)
プ「それに,テンゼン! 命の霊獣フェニックスは,ただ冒険者を砕くために導いてたんじゃないだろ?」「自分の半身を使って,冒険者の砕かれた命を再び蘇らせるつもりだったはずだ!」
(ごめんフェニックス.あんたええやつや 笑)
(テンゼン殿はそれを知ってすべてが丸く収まると冒険者を導き,でもメガフレアを防ぐためにフェニックスが散って生き残るはずだった冒険者の命を天秤にかけざるを得なくなり,悩んだ末に最後は世界と人を取ったのか.彼の苦悩の原因がそうならば,彼は何も間違っていない.でも,下手をすると,彼は一騎打ちで死ぬつもりだったのでは.「武士道とは」と言うタイトルを回収し過ぎだ)
プ「頼む,セルテウス! 冒険者に 5 つ目の母なるクリスタルの光を与えてやってくれ!!!」
そう言いながらプリッシュはセルテウスの前で膝を折り,
頭を下げて懇願する.
プ「冒険者には強い意志があったんだ! 人と世界を愛する強い意志が!」「だから,冒険者なら必ず勝てる! 『世界の終わりに来る者』に!」
プ「セルテウス! 神都アル・タユへの道を開いてくれ!!!」
プリッシュから目をそらし逡巡するセルテウス.
それもそうだろう,あと一歩で「世界の終わりに来る者」を退け世界と人を救うことができるのだ.だが,それは本当の救いなのだろうか.一時しのぎではないか.彼はかつて何のために何を為そうとしていたのか.
セルテウスが何かを決断しようとしたその時.
大地が割れ,
プリッシュの姿が宙を舞い,
三度,彼女は意識を失う.
それはナグモラーダ.
プリッシュが落としたアミュレットを拾いつつ,彼は言う.
南「私からも願うよ.神都アル・タユへの道,開かんことを」
彼は 1 万年前に世界をかけて戦ったセルテウスを揶揄する.
南「あの時おまえも,あのお方に同じことを言ったそうじゃないか」「『俺たちは必ず勝てる.「楽園の扉」の向こうにいる「男神」に.だから,神都アル・タユへの道を開いてくれ』と」
そして,南雲氏はこうも言う.こうなったことの責任を古代の民として担おうと.
南「・・・その力と共に・・・な」
彼が手にしたアミュレットが冒険者と共鳴し,器に満ちたクリスタルの力を強引に引き離す!
プ「ヤメロぉ,ナグモラーダぁっ!!!」
4 つのクリスタルの力は,もはや止める事もできないほどに溢れ出し,
第 5 の母なるクリスタルへと還っていく・・・
そして「絆の証」はその過負荷に耐えられずに
砕け散る.
・・・それは石の記憶.
それは 1 万年前のジラートの記憶.
ジラート王子「遠い遠い昔,5 つの『石』は,『母なる光』を放つ大きなひとつの『石』だった」
ジラート王子「『母なる光』は,『虚ろなる闇』を払い,多くの神々に『生命』を与え・・・」「そうして,すべてに満たされた,永遠の完璧な楽園『クリスタルの楽園』が生まれたのだ・・・」
兄王子「それなのに,その楽園は永遠に続くことがなかった」「大きなひとつの『石』は 5 つに砕かれ,完全なる世界は,不完全なる世界へとおとしめられ・・・」
兄王子「僕らもまた,より高い次元の完全なる生命から,こんな不完全でちっぽけな『人間』におとしめられた」
兄王子「・・・けれど僕には,どうしてもわからないことがあるんだ」
兄王子「ねぇ.なぜ,こんなことになったんだろう」
なぜ「石」は,5 つに砕かれてしまったんだろう? それをしたのは,いったい誰なんだ?
それは女神に仕える巫女の記憶.
明星の巫女「人という種に特化して,人という種が抱える,5 つの闇の特性」
巫女「これらの闇を打ち破るため,生み出されたクリスタルの戦士たちよ」「あなたがたでも,この闇にだけは打ち勝つことはできない」
巫女「『虚ろなる闇』.『母なる光』の対となるもの」「それを完全なる『死』というのなら,完全なる世界にも,その『死』がなくてはならなかった」
(もしかしてこれが「世界の終わりに来る者」? たしかこの場所には「虚ろの器」があったはずだ.もし,クリュー人から抽出された「闇」が凝集され完全なる「闇」になったのだとしたら・・・.アル・タユに居る「世界の終わりに来る者」は,人為的に生み出されたもの? 考えすぎ??)
巫女「だからこそあなたは,私たちのために,クリスタルを砕いたのですね?」
・・・暁の女神アルタナ様・・・
(「完全なる世界=母なる光」と「完全なる死=虚ろなる闇」.世界が完全であるためには,そこにある死も完全でなければならない,と言う話は分かりやすい)
(でも,イブノイルは「私たちのため」に女神がクリスタルを砕いたという.なぜ,女神は「完全なる世界」を「不完全な世界」に堕したのか.「光」と「闇」が対ならば,「不完全な世界」に「不完全な死」をもたらすために?? それは何を意味する?? なんか FF っぽいぞ??? 笑)
(そう言えば,イブノイルは,女神は男神のために「光」と「闇」の循環を作ったと言っていた.それは「光」から人が生まれ,死して「闇」に還るという循環.でもこれを循環とは言わない.「闇」から「光」へと繋がっていない.例えば,「不完全な死」が「死してのちにまた生へと還る営み」を指すのならば,この循環は完成する)
(女神はこの循環を成すために石を砕いた?? それが人間のためになるとは?? イブノイルは男神の復活と死を願ってると言っていたが,それとどう繋がる?? うーん)
なんて事を考えながら,気がつくと見知らぬ床.
そしてなぜか傍にはナグモラーダ.
南「・・・なんということだ・・・」
その目線の先には見知らぬ建物.それにあの光は・・・?
南「神都アル・タユ・・・.いくら探せども見つからないはずだ・・・」
南「・・・ははは・・・ 『神の扉』計画が成功していたとは!」
彼に依れば,ここが神都アル・タユ.
彼の野望により 4 つのクリスタルの力と第 5 の母なるクリスタルの力が一つとなり,「神都への道」が開かれたのだった.彼の言葉に従うのならば,あの光こそが「神の扉」なのだろうか???
アミュレットを片手にナグモラーダは耳をそばだてる.
(あれ? 彼が持っているアミュレットは砕けたのでは? もしかしてゴソゴソされた??? それともあの時,冒険者が持っていたアミュレットが砕けたのかな・・・)
南「・・・何故だ? 何故,声が聞こえない?」
だが,彼には誰の心の言葉も届かない.
不意に何かに気がつくナグモラーダ.
どうやら,プロマシア調査隊(仮)のメンバもアル・タユに飛ばされたらしい.
南雲氏は「フ・ゾイの王宮」へ向かうという.そこならば誰かに会えるだろうと.
だが,セルテウスによればアル・タユは・・・
こうして,プロマシアミッションの最終章が幕を開けるのだった.