アトルガンの秘宝 総集編2「接触編」
なるほど、と言いながら日記を読み返すのだった。
総集編その2。
ジュノで開かれた四国臨時会議に出席した冒険者は、皇国の動向を探る密命を帯びアトルガンへ取って返すが、それと入れ替わるかのようにライファル二等傭兵は本国へ帰還していた。
相変わらずアサルトは失敗続きでパッとしない傭兵稼業を続ける冒険者だったが、その活躍?あるいは凄惨な死にざま?がどこかで皇室にも届いたらしい、ある日、「最近噂の傭兵」として名指しでの仕事が舞い込んだ。
依頼の内容はアルザダール海底遺跡群の哨戒任務なのだったが、どうやらそれは建前らしく、誰の目も届かない遺跡の奥には皇国錬金術師ガッサドが待っていた。
皇立文化財調査事業団に属する彼は、国の極秘事項と思われる情報をあっさりと冒険者に告げた。魔笛とはアストラル界の「風」を噴出して、人々に勇気と活力を与えるものであり、故に蛮族との争奪が繰り返されていること。古代書によれば、かつて4つの魔笛が存在していたこと。聖皇の勅命によりそれらを探していること。
新たな魔笛を手に入れることで、蛮族との無益な戦いを終わらせたい。
そう言う彼を信じ、ついでに言えば、そうでなければこの遺跡から生きて戻ることは叶わないだろうと直感し、冒険者は魔笛探索の依頼を受諾する。
もちろん、皇国からの監視が付けられたうえで。
アルタナ四国が冒険者の背後にあることは、どうやら丞相ラズファードには筒抜けのようだった。そのうえで、彼は内偵の立場を逆手にとって、四国の目を眩ませようと画策していた。つまり、魔笛探索は囮だった。
宰相の大望は、聖皇ナシュメラ2世の手に「秘宝」をもたらすこと。だが、「審判の日」が近いにも関わらず「計画を邪魔立てする者」に悩まされているらしい。
「冥界の者ども」と呼ばれるそれらは、「幽霊船」とともに皇都で噂になっている。 曰く、亡国イフラマドの海賊船「ブラックコフィン号」と共に、イフラマドの英雄「漆黒のルザフ」が帰ってきたのではないか、と。
幽霊船に興味を持った聖皇は、傍に控える「無手の傀儡師」アフマウに幽霊船の正体を暴くよう勅命を下し、
結局、その任は巡り巡って冒険者が請け負うことになった。
幽霊船の噂はナジャ社長の耳にも当然入っており、
彼女が掴んでいた情報をもとに訪れたアラパゴ暗礁域のその先に、
幽霊船を捉える。
船上では手荒な歓迎を受けるも、
皇都での噂のとおり、そこに「漆黒のルザフ」の姿はあった。
海運国家であったイフラマド王国は強国であったが、200年前にアトルガン皇国によって滅ぼされ、その領地は次々と併呑されていた。アラパゴ暗礁域は王国最後の地であり、命尽きるまで抵抗を続けた王国の嫡子、ルザフ王子最期の地なのだった。
幽霊船に関する調査報告は、聖皇ナシュメラ直々に行う事になった。
王国復興のためにアトルガン艦隊と戦った亡国イフラマドの末裔コルセアと、その頭領たる提督ルザフ。国と命運を共にした彼らが亡霊として現れたこの事実は、皇国に住まう旧イフラマド系住人への動揺を誘うことになり、下手を打てば皇国を揺るがす大事にも成り得た。
だが・・・それ以上に厄介な事象、天災がアルザビを訪れていた。
合掌。
当然、彼女に見逃してもらえるはずもなく、アルザビ周辺の遺跡に興味を持つ彼女に「現地ガイド」となるよう冒険者は強制される。
天災から逃れる術はない。ただじっと過ぎ去るのを待つのみ。
そう思いながら、彼女が満足するまでオルドゥーム遺跡を探索すると、
なぜか盗賊キキルン?に襲われているアフマウと
災厄が戦う地獄絵図。
今度は「処刑場」に行きたいと言う悪魔に渋々付き従うと、
合成獣と戦う地獄絵図。
しかも、あのナジャ社長すら手玉に取られる始末。
どうやら彼女は、「アトルガンのシッポ」を掴み、皇国糾弾の国際世論を高めるために、周囲のあれやこれやを気にする事無く冒険者を振り回していたらしい。
別れ際に彼女は、魔笛の情報を収集すること、アフマウとカラクリ人形たちと接触すること、をアドバイスし、ウィンダスの地へと戻って行く。冒険者たちの気持ちを一切慮ることなく。
悪いことはたて続けに起こるらしい。
ようやくの台風一過と思えば、またしても宮中へ呼び出され、
アフマウ失踪を告げられる。
連邦の黒い悪魔との戦いのさなかに、赤いカラクリ人形アヴゼンを紛失したアフマウは、その手掛かりを探して遺跡を、
かつてを共に過ごしたワラーラ寺院を、訪れていた。
宮廷傀儡師の失踪を事無きにせんがため、忠臣リシュフィーはアフマウに皇宮への帰還を優しく諭すが、
亡き母の形見であり、幼少から共に過ごした人形の片割れを諦めきれないアフマウは、リシュフィーと冒険者を連れ人形探索を強行する。
だが、果たしてその先に待っていたのは、
蛮族と手を結んでいた傭兵ゲッショーの裏切りであり、
双人形を手に入れた提督ルザフとの再会であり、
人形を追うアフマウの再びの失踪であり、
そして、
無謀な冒険がもたらした忠臣の最期だった。
つづく。