Vana'daily

Vana'diel 一人旅の日々.ばなでいり.

アトルガンミッション45「ラグナロク」その2/46「戴冠の儀」

未来のための決別なのだった。

 

皇国を、妹を思う丞相の決意が、神々の思惑を寸前で止めるのだった。

ぐったりとしたアフマウの許へルザフが駆け寄る。

ルザフ「・・・君には まだ、なすべきことが山ほど残されている・・・」

200 年前の亡霊に過ぎなかった自分に、未来への夢を見せてくれた大切な少女。

ルザフ「死なせはしない・・・ 死なせは・・・」

この瞬間こそが、大恩に報いるために男が命を懸けるべき刻だった。

ルザフは魔笛の許へ向かうと、

オーディンへ語りかける。

ルザフ「オレは、貴方の意に背いた!」「だが、俺は生きている・・・」「何故だ?」「俺は神意を知りたい・・・」

ルザフ「だから、この娘 アフマウに、この仮初の命を譲り・・・」「貴方に会いに ふたたびヴァルハラに行こう」

ルザフの静かで真摯な思いがどこかに通じたのか、機関巨人を支えていた幾つもの魔笛が光を放ち、

ルザフの手に集まると、

それはアフマウの命となって、

一つ所に収まるのだった。

マウ「・・・う・・んっ・・・」

二人の永らくの逢瀬。

ルザフ「君とはもっと話したかった・・・」

そして最後の逢瀬。

ルザフ「だが、もう俺には 時間が残されていない・・・」

その言葉にアフマウは一瞬振りかぶり、期待の眼差しをルザフへ向ける。

だが、彼の言葉は彼女の求めるものではなかった。

ルザフ「君には、未来がある。いや、君だけじゃない・・・」「皇国の民、イフラマドの民・・・ 君は、みんなの未来を背負わなければ・・・」

アフマウは堪らず口にする。

マウ「行かないで・・・! だったら、あなたもいっしょに・・・」

それは一人の少女としての本心だった。

ルザフは分かっていた。

ルザフ「君はひとりじゃない。愛すべき将兵や民がいる。頼りになる冒険者も・・・」

アフマウも分かっていた。

マウ「うん、そうね・・・」

だから・・・ 涙をこらえて、こう言わなければならない。

マウ「 マウに、すべて・・・」「まかせるがよい!」

分かり合うが故に身を引きあう、これがアフマウとルザフとの愛の形なのだった。

ルザフ「ははは・・・ その意気だ、アフマウ」

立つ力すらも失ったルザフはアフマウにもたれかかり、ゆっくり目を閉じると、

提督「・・・おお、海が見える! おもしろい、今度の戦場は冥界の海のようだ」

そう唄うようにつぶやき、やがて波間を漂う光の粒となって

還っていった。

(日記で振り返っても泣ける・・・)

静かに目元をぬぐいつつしばしの時間を過ごした聖皇は、やがて立ちあがると冒険者に向かって告げる。

メラ「わらわは 長らく、皇宮を空けてしまった・・・」

メラ「帰りましょう、アトルガンへ!」

 

神々の戦いの余韻を残すこの広間に、勝利を告げる鬨の声が静かに響き渡った。

こうして、アトルガンに訪れた 2 度目の「審判の日」は、誰に知られることも無く静かに幕を下ろすのだった。

社畜としてのホウレンソウを果たすべくサラヒム・センチネル本社に戻ると、

どうやら「我が社創立以来、最大の大仕事」が迫っているらしい。

聖皇さまの戴冠式

貴賓が集まるであろう皇国の一大行事に新たなビジネスチャンスを見いだしたナジャ社長は、溢れる期待で踊り出さんばかりだった。

戴冠式にはナジャ社長の従者を一人同行できるらしい。

「勅旨の真意ぐらい理解している」と豪語するナジャ社長は、その栄誉を冒険者へと贈るのだった。

シャッチョー「あんたも、ただちに参内の準備をしな! 戴冠式に遅刻しただなんて あとあとまでの皇都っ子の語り草だよ!!」

従者同道の話が出た際に真っ先に「留守番係」と言われたアブクーバは、どこからどう見ても明らかに拗ねていた。

ナジャ社長から「参内の準備」をしろと言われたが、ミッションを確認すると「身なりを整え」る必要があるらしい。

そう言えば武器を装備しているとまずいんだっけ・・・と思い出して装備を外し、

意気揚々と「白門」へ向かうと、

皇宮へ入れない。

あれ? え?? なんで?

近衛の台詞をよくよく読むと、皇宮では「小汚い服装」と「武器をちらつかせる」ことが厳禁らしい。そりゃそうか。

前回はどんな格好で入ったんだっけ・・・ 確かシーフ AF だったような気が・・・と記憶を掘り起こすが漫然としていて、かと言っていつの事だったか思い出せない膨大な日記を振り返る気にもなれず、

適当に装備可能な鎧やら兜やらを着こんで試してみると、

ようやく中へ通された。

うーん、ユニクロ装備がダメなのかな・・・。

皇宮には既にアルタナ四国代表の姿があり、

なんだか気恥ずかしい思いをしつつ、聖皇がおわす宮中奥へと通される。

(誰よ? 笑)

丞相の代理だろうか、髭の男に

名を高々と読み上げられると、

荘厳な雰囲気のなか、粛々と「再」戴冠式が始まった。

かと思いきや、

聖皇「もうよい。堅苦しい儀式はやめじゃ。後は、わらわが直接話す」

の一言で、

陛下が御成、

アトルガン皇国 マジャーブ朝第 16 代聖皇 ナシュメラ 2 世と、直に拝謁することとなった。

 

つづく。