アトルガンミッション36「天狗の慧眼」
また、冒険者は一人になるのだった。
イフラマドの財宝を前に月照と剣を交えることになる冒険者。母国を背負い皇国の内情を探りに来ていたござるとの戦いは熾烈を極めるも、死に戻りできる冒険者の手によって最後は月照が膝を屈する。転生系主人公強い。ルザフの命で財宝を得るはずだった月照と、その財宝を護るはずだった冒険者。なぜ二人が戦うことになったのか、それはインプ フリットの奸計に他ならなかった。
ルザフたちは、冥界へ繋がると言う「ハザルム試験場」へ向かっていた。
地図で見るとナシュモの西、タラッカ入江の南に位置しているようだ。
そう言えば、ナシュモにはハザルム試験場への行き方を教えてくれる NPC が居たなあと思い出して向かってみたが、
とにかく話が長すぎて辛い(笑) ムッチャ長い。
何を言ってるのか半分分からないし、ランプが必要そうなことは分かるが、そのランプを売ってくれると言いながら買い方が分からない。どうなってるのw
まあ彼女が案内しているのは Lv75 時代のエンドコンテンツっぽいから、
とりあえず無視して(笑)、試験場がありそうな場所へ向かってみた。
地図と合致するその場所には、人の手の入った洞窟への入り口があり、
奥へ進むとイベント。
青い炎に縁取られたこの封印のような紋章が、
冥界へと繋がる場所らしい。
少し物語を整理すると、ルザフは 200 年前にオーディンと契約を交わしている。それより以前にイフラマドは皇国の侵略を受け、ラミアの襲撃によって対皇国軍残存艦隊は沈められていた。つまり、ラミアを生み出したハザルム試験場は、少なくとも 200 年以上の歴史になる。
気になるのは、この冥界の門がいつ開かれたか、だ。前回の「審判の日」にオーディンはどこから現れたのだろう。もしこの場所が開かれた事によって「最初」の審判が下ったのだとしたら、この門を閉じる方法を模索することも、ルザフの願いを叶えるやり方の一つになるかも知れない。閉じられれば、だが。
ルザフはさっそくイフラマドの守護神であり冥界の主、オーディンを呼び出す。
皇国軍が「門」を塞いでいたのではないか?、ルザフの様子を見てふと疑問に思ったアフマウだったが、フリットはここが「重なるはずのない 2 つの世界が共有してしまっている、いわば特異点」なのだと言う。
フリ「もとより塞げる道理なんてないんですよ。あちらの者も、こちらの者にもね」
あー、ダメなんだ。と言うか、塞ぎようがないんだ・・・。
フリ「何人も近づけぬよう 実験場内に錬金術の怪物を残すのが、関の山だった、といったところでしょうか」
先ほどのナシュモの女性は、その「実験場内のネズミ」を退治して手に入れるアンプルと様々なアイテムとを交換しようと持ち掛けていた。彼女の目的がアンプルから錬金の秘術を探ることなのかは話が長すぎて読んでいないが(笑)、人間の欲は底が知れないのだから、そのような事をしていればいずれ「冥界の門」も発見され、何かに利用しようとする者が現れるだろう。
この場を放置しておくことは、非常に危険な事のように思えてならない。
この「門」は冥界の奥深くまで通じているのだろうか。
実に短時間でオーディンの「降臨」が始まり、
そこより吹き出る風が、
アフマウたちを吹き飛ばし、地面へ叩きつける!
倒れ、気を失うアフマウを気遣うルザフ。
だが、構わずオーディンの出迎えに集中すべきだとフリットは進言する。
提督「・・・貴様ッ! こうなることを知っていたな!?」
そんな二人の有様をあざ笑うかのように馬がいななき、
その背にまたがる一人の騎士、
迷路の騎士が姿を現す。
そは冥府の主、オーディン。
王の登場にすかさず頭を垂れるフリット。
フリ「これは冥界の王たるオーディン様!」「ご機嫌、麗しゅう・・・」
冥王「・・・余を呼んだのは・・・汝なりや?」
提督「・・・御意」
現れた王に礼を取りつつ、ルザフはさっそく本題に入る。
提督「私に残された時を教えていただきたい」
だが・・・冥王はその問には答えずに更に問う。
冥王「・・・汝は怒りを晴らせしか?」
提督「・・・いいえ」「俺の怒りは・・・ 私の怒りは・・・もう消えました」
それは王の望む答えではなかったのだろう。冥府の主は再びルザフに問う。
冥王「・・・汝は怒りを晴らせしか?」
神の真意は図りかねる。一瞬「?」と思うルザフだったが、もう一度自分の心情を素直に語り、神の理解を得ようと試みる。
提督「私は、復讐よりも成すべき大切なことを見いだしました」「それは、イフラマドの末裔たちです」「彼らが誇りをもって暮らせるよう、私は残された命を王国の再建に捧げたい・・・」
冥王「・・・汝は怒りを晴らせしか?」
さすがに様子がおかしい。
「どういうことだ?」とフリットに問うと、かの夢魔は笑いながら返答する。
フリ「くすくすくすっ・・・」「だから、言ったでしょう?」「あなたの願いはもう叶えられた後。契約は履行済みなんですよ」
フリ「あのオーディン様の化身は、ルザフさんが騎士になる準備ができたか否か、それ以外を裁定されることは決してありません」
提督「化身・・・だと? では、契約の破棄は・・・」
フリ「不可能です」
ルザフにとっては絶望的な一言だったが、フリットは「いいこと」を教えてくれると言う。
フリ「騎士に叙任された者には・・・」「冥界の力が馴染むまでの間、しばらく、自由時間が与えられるはずですよ。・・・来るべき日に備えてね」
では、ルザフが契約を果たすにはどうすればよいか。フリットはそれも「簡単なこと」だと言う。
フリ「もう一度、思い出せばいいんですよ」「あなたの部下たちの悲惨な末路を・・・」「その怒りをぶつけるのです・・・」
そう、冥王が言うように怒りを晴らせばいいのだ。
フリ「あの者に!」
あれ? イベント終わり???
とりあえずハザルム試験場を奥に進んでみると扉があり、
続きのイベント。
こうなる事を予期して、フリットはアフマウが気絶するままにしていた。
フリ「あれだけの大量のアストラル風を浴びたんです。意識がもどったところで、どうせ・・・」「とどめを刺してあげましょうよ、哀れなアフマウさんのためにもね」
(ん-、どう言う事だろう。合成獣なりネズミなり、ここで生まれたモンスターの一部は、アストラル風の影響を受けたものだと言うことなのだろうか。そして、アフマウはそう言った「哀れ」な状態になり得ると言うこと??)
フリットの話を聞いたルザフは、懐から取り出したヘキサガンをアフマウに向ける。
提督「・・・」
だが、その時アヴゼンが気づく。
その指が指し示す先にルザフは気づき、
フリットに問いかける。
提督「アフマウの傭兵」「あいつが、財宝の警備についたことは確かか?」
財宝にかけられた魔法を解除できる「冥衆の護符」はこの世に 2 つのみ。その反応をルザフも見たのだから間違いないと、フリットは無邪気に答える。
フリ「ええ、確かですよ」
インプの言葉を聞いて、ルザフはなおも問う。
提督「ならば、お前の分を見せてみろ」
フリットの顔から血の気が引く音がする。
フリ「あ、えと・・・」「ほら~、魔方儀をご覧くださいよ。タラッカに反応があります。だいじょうぶ。やつは元気に財宝を守ってますよ~」
提督「そうか、それを聞いて、安心した・・・」
そう言うとルザフは、アフマウに向けたヘキサガンを、
フリットに突きつける。
提督「これで、心置きなく処分できる」「貴様をなっ!」
フリ「はいっ!?」
フリ「る、ルザフさん、そのっ、間違って・・・」
彼は最期に何を言いたかったのだろう、その言葉はルザフの銃声に掻き消える。
提督「コルセアの掟・・・忘れたとは言わせん」
フリットの話を確かめるため、ルザフはもう一度冥王に問いかける。
提督「俺の言葉は、貴方に届いているだろうか!?」
だがやはり、返答は一文字も違わない。
冥王「・・・汝は怒りを晴らせしか?」
提督「俺の言葉は届いていない・・・か・・・」
このままでは埒が明かないことを悟ったルザフは、この場での唯一の戦力である冒険者に後を託す。
提督「冒険者よ」「俺は、けりをつけねばならん。・・・アフマウを頼む」
腰に佩いた剣を抜き、ルザフは闘気を滾らせる。
提督「そいつは、俺の・・・ いや、イフラマドの希望だ」
(カッコ良すぎてちょっと泣けた)
提督「これが化身ならばっ!」「戦って神体を引きずり出すまでっ!」
そう言って繰り出された渾身の一撃は、
しかし冥路の騎士に届くことはなく、
提督「・・・グハッ!」
ルザフに跳ね返る!
だが、その一撃は冥王を確かに覚醒させた。
冥王「ハハハハハハハハッ!」「汝は怒りを晴らせり!」
眼前で輝く希望のために、己の命を顧みず冥府の主へと剣を向けたその時、ルザフの皇国に対する「怒り」は真に晴れたのだった。彼の心の中には、もう一片の怒りも存在しない。
故に、契約は成る。
冥王「余は、汝を騎士に任ぜよう」「審判の日・・・ラグナロクに馳せ参じ、アレキサンダーを討ち果たすその日まで!」
そうして冥府の主は冥界へと帰還し、来る日を待つのだった。
朦朧とした意識の中、騎士となったルザフにフリットは忠誠を誓う。
フリ「・・・あ、新しい・・・ほひゅ~ 冥路の・・・騎士さ・・・ほひゅ~ フ、フリットめに・・・ございます、ほひゅ~」
そうして幽体となり掻き消えたフリットは、「だから、言ったでしょう?」と、まるでこうなる事が分かっていたかのように、人を嘲るいつもの笑い声を最期に残す。
フリ「くすくすくすくすっ・・・」
倒れながらも一部始終を目撃したアフマウは、ルザフの身体を心配する。
マウ「怪我は!?」
提督「もう痛まない・・・。いや、痛みの感覚が・・・ない」
アストラル風を浴びたはずのアフマウだったが、不思議なことに異常は無いようだった。
マウ「あの風からは懐かしい音が聞こえた・・・」「マウの育ったワラーラ寺院のゴルディオスの間に吹いていた風と同じ涼やかな音・・・」「だから、きっとだいじょうぶだと思うの」
(本当に大丈夫なのだろうか・・・。子供の頃から浴びていたから大丈夫って、あり得るの?w)
これからどうする?と問うメネジンに、ルザフは返す。
提督「この身体が、俺の意思のままに動くうちに・・・急ごう」
マウ「急ぐって?」
提督「鉄巨人を破壊するんだ。君の兄が復活させる前に」「完全なるオーディンの化身となった俺と、アレキサンダーの宿った鉄巨人が衝突すれば・・・」
マウ「!!」「・・・審判の日ね。勝者による正義の裁定が下されるという・・・」
だがそれは、あの絵画が見せたような地獄、炎に包まれた世界の再来を意味していた。
提督「だから、ラグナロク・・・最終戦争だけは何としても避けねばならない」「そして、鉄巨人を倒した後、俺自身にも決着を・・・」
そこへ、ルザフの部下が駆けつける。
部下「て、提督。早く、早くお逃げください!! ふ、不滅隊がそこまで・・・」
だが、その報は時すでに遅く、
アフマウたちの前には丞相の姿があった。
丞相「お手柄だぞ。ナシュメラ」
ルザフの部下も、ルザフを慕い集まったイフラマドの末裔たちも、既に丞相の手の中に居た。
人質を取られたルザフは何の手出しもできず、不滅隊に捕縛されるしかない。
丞相「連れていけ」「反アストラル拘束帯で厳重に縛れ。油断するなよ」
堪らずルザフはアフマウに問う。
提督「アフマウ・・・いや、聖皇ナシュメラよ。これが、君の国のやり方なのか?」「皇国は、やはり 200 年前からなにも変わってはいないのか!?」
その言葉に耐えきれず、顔を伏せていたアフマウは声を上げる。
マウ「・・・待ちなさい! 命令です。その人を放しなさい」
だが、丞相の「構うな、行けっ!」と言う言葉がそれを遮る。
マウ「ちょっと・・・わらわの命令がきけぬのか!」
丞相「残念ながら、お前には、もう何の権限もない」
国政を放棄し反皇国勢力と行動を共にしたアフマウは、丞相の手によって全権をはく奪されていた。
兄の傀儡となって聖皇を演じてきたアフマウは、口にせずに居られない。
妹「そんな・・・兄さまは聖皇を・・・マウを裏切ったの?」
だが、兄にも言い分はあるようだった。
兄「ふっ、裏切った・・・か。お前にそれを言われる筋合いはない」
(この兄妹は、まだ何かを抱えているのだろうか)
丞相「冒険者・・・」「そろそろ、いいだろう? このかわいそうな愚妹に教えてやってくれ」
突然名を呼ばれ、しかも何の事なのか分からない。
丞相「貴様の本当の主が誰なのかをな」
マウ「兄さま、なに言ってるの。冒険者はマウの傭兵よ!」
丞相「つくづく、めでたいやつだ」「そいつが傭兵になったのも、お前に近づいたのも こいつが外国の密偵だからなのだぞ?」
あーそーゆーこと。
だが、アフマウは引き下がらない。
マウ「・・・」「ううん。分かってないのは兄さまの方・・・」「ルザフのことも冒険者のことも、兄さまは、なにも知らないじゃない!」
そう言いながら、アフマウは冒険者に「輝金の短剣」を渡す。
マウ(これを「サラヒム」に・・・)
マウ「マウだって同じよ!」「冒険者に身分を偽ってた・・・」「でも、そんなこと関係なくいつだって冒険者はマウを助けてくれたわ」
若干誤解もあるが、アフマウから見たら大体合ってるので何も言わない。
アフマウの動きに勘付いたラズファードは、冒険者に向かい忠告する。
丞相「冒険者よ。貴様の飼い主に伝えろ」「賽は投げられた。おとなしく聖皇の名の下に服属せよ、と」
その瞬間、アフマウは「冒険者、逃げて!」と叫び、
強制デジョンさせられた冒険者は、一人試験場の扉の前に佇んでいた。
冒険者の「飼い主」に対する丞相の宣戦布告は、事態のひっ迫度合いを示していた。彼は鉄巨人の復活により、周辺国家のみならずアルタナ四国をも服従させるつもりだ。
アフマウはなぜ「サラヒム」に短剣を届けようとしたのだろう。この短剣は、彼の覇道を止める足掛かりになるのだろうか・・・。彼女の意図は読めないながらも、だが、その意思は継がねばならない。
しかし・・・、あの社長に鈍器のみならず刃物を持たせるのは危険過ぎる気がする(笑)