プロマシアミッション6-1「歌うのは誰がため」
一つの疑念が仲間に断絶をもたらすのだった.
鳳凰丸の導きに従い訪れたソ・ジヤで,霊獣フェンリルは古代の民と交わした事実を明らかにする.人間が「世界の終わりに来る者」を倒すことができるよう月詠みによって「時」と「場所」を定めたのだと. 1 万年後のタブナジア.それが「世界の終わりに来る者」が生まれ落ちる定めなのだった.
ソ・ジヤで明らかになった事実を伝えようと,テンゼン殿とともにシドの許を訪れる.
まずは,ジラートの民の生き残りがクリスタルラインを通じて母なるクリスタルからその力を集めていたこと.
予てより「岩」を調べていたシドは,その事実に納得がいくようだった.
そして,フェンリルから聞いた「世界の終わりに来る者」のこと.
シドは,テンゼン殿が「世界の終わりに来る者」をプリッシュと考えている事を見抜く.
テンゼン殿は言う.「楽園の扉」計画を阻止しようとする霊獣たちが,「世界の終わりに来る者」を敵視する人間に嘘をつく必然性はない.テンゼン殿はフェンリルの話が事実であると確信する.
ゴザル「もしかしたら,プリッシュ殿は,目覚めていないだけなのかもしれぬでござる.その身に宿る,男神の意思に・・・」
テンゼン殿は,もしプリッシュが「世界の終わりに来る者」ならば自らが手にかけなければならないとまで思い詰めていた.
そんな彼をなんとか押し止めようとするシドだったが,テンゼン殿の決意は固く,せめてウルミア嬢にはしばらく伏せておくようにする事が精一杯なのだった.
テンゼン殿が去り,シドは自分たちの立ち位置を振り返る.
シ「正直言って,わしらはとんでもないことに首を突っ込んでいるようだ」
ジュノで暗躍する古代人の生き残り.謎の多い「ひんがしの国」.
シ「嫌な雲ゆきだな.誰が真実を語り,誰が真実の友かわからんぞ」
プロマシアを巡る話は二転三転し,その度に関係者の立ち位置が目まぐるしく変わる.シドの言う通り,「人に流されず,自分の目で見,自分の頭で考え」なければ,あっという間に足元を掬われる.そんな危険な状況が続いているのだった.
シドの話が一息つくと,コーネリアとウルミア嬢が駆け込んできた.
コ「天晶堂の人から知らせがきたわ! プリッシュさんが,ジュノに現れたんですって!」
指名手配されているにも関わらずジュノに現れたプリッシュ.
嬢「・・・ジュノ・・・.もしかして,プリッシュはあの方に会いに・・・?」
何か心当たりがあるのか,ウルミア嬢は「私,行きます!」とだけ言い残して部屋から駆け出す.
(あの方・・・?)
シドは関係者に参集するよう呼びかけるとともに,ジュノの大使館辺りで集合しようと告げる.
ジュノに移動して大公宮を歩き回ると,親衛隊の待機室でイベント.
どうやらプリッシュは「偉い奴に会わせろ」と出頭してきたらしい.
(これまで明かされた事実をプリッシュが,例えばセルテウスから「心の言葉」を経由して理解しているのだとすると,男神プロマシアを復活させたい彼女としては,残りのカギ,つまりセルテウスの持つクリスタルの力とウルミアの歌が必要なはずだ)
(そして,いま彼女はアミュレットを持たず,セルテウスの居場所を知らない.プリッシュはセルテウスの居場所を知る,つまりプリッシュのアミュレットを持つ,エシャンタールに会いに来たのではないか)
丁度そこにウルミア嬢が合流する.
待機室を外したいと言う事だったので移動すると,どうやら捕まったプリッシュを救出しようと言う話らしい.彼女は彼女なりに,プリッシュの危機を察知しているようだ.
そこにテンゼン殿が合流する.
シドが招集した関係者が「ジュノ上層にある酒場」に集まったとのこと.
ウルミア嬢は「ジュノ大公宮の方々は優しい」と言っていたが,なんとなくウォルフガングがそうするように手配している気がする.
彼はプリッシュの正体を知らないはずだが,冒険者一行の事を信じて動いているのかも知れない.あるいは,彼なりの信念に基づいて.
と言う事で酒場.
何の AF クエストだったか忘れたが,あれ以来で随分久しぶりな気がする.日々変わる入室条件があるから,ジュノに来てもほとんど入ることができないのだ.そもそも用事もないけれど.
酒場にはプロマシアに係わるメンバーが集まっており,これまでの冒険で仕入れた話を持ち寄り,ウルミア嬢へ事実を打ち明ける準備をしていた.
遅れてやってきたウルミア嬢に,神妙な面持ちでテンゼン殿は明かす.
プリッシュが「世界の終わりに来る者」であろうことを.
もちろん,彼らは結論を覆そうとこの場で十分検討していた.
だが,セルテウスは 1 万年前から「楽園の扉」計画を阻むために動いていること.
「世界の終わりに来る者」が既に復活したらしいこと.
プリッシュの胸には男神の象徴たる「虚ろなる闇」を封じた魔晶石が埋まっていること.
月詠みによって,「世界の終わりに来る者」は1万年の時を経てタブナジアに生れ落ちることを運命づけられていたこと.
それらを持って,テンゼン殿たちはプリッシュが「世界の終わりに来る者」であると結論付けざるを得ないのだった.
嬢「・・・まさか皆さんは,それがプリッシュだったと言いたいのですか?」「そんな!私はどうしても信じられません!」
もちろんウルミア嬢は否定する.
プリッシュを信じるに十分な年月が,思い出が,彼女とウルミア嬢の間には確かに存在していた.彼女がプリッシュを疑う理由は何処にも無かった.
嬢「なぜ霊獣ディアボロス相手に,『世界も人も救おう』などと言えるのです!?」
(確かにウルミア嬢の言う通りだ.テンゼンたちは「闇」によって目がくらみ,疑念と言う蓋然性をもってプリッシュを断じようとしている.でも,確かなのは憶測ではなく記憶であり,積み重ねてきた年月による信頼なのだ.ウォルフガングとモンブローのように)
だがテンゼン殿は言う.もちろんプリッシュをなんとかしたいと.
ゴザル「その方法さえ知り得,それを成す時間さえあれば,プリッシュ殿をその定めより救わんと思うでござる」
だが,彼には時間が無かった.多くの犠牲を強いてきてしまった彼は,「闇」を打ち払う使命に追い詰められていたのだった.
それは枢機卿の罪を確定的にするものであり,モブリンを狂気へ誘う愚行でしかない.
それぞれがそれぞれの立場でプリッシュを断罪する.
それに耐えられないウルミア嬢は,
嬢「私にはそんなこと,できません!」
そう言って,酒場を飛び出すのだった.
ウルミア嬢のことは仕方が無いと半ば諦めたのか,プロマシア調査隊(仮)のメンバーはプリッシュを捕まえるために酒場を後にする.
そしてテンゼン殿は,残された冒険者に一つの選択を迫るのだった.
プリッシュを「世界の終わりに来る者」として倒し,男神の復活を阻止するとともに霊獣たちの契約を反故するかどうかを.
もちろん答えは「いいえ」だった.
「虚ろなる闇」から解き放たれたプリッシュがこの場にいたら,きっとこう言うにきまっている.「グダグダ言ってないで,世界を,人を救おうぜ!」と.
冒険者にとって,その救うべき人の中には当然のようにプリッシュが含まれていた.「虚ろなる闇」の疑念に囚われずに,信じる者を信じる.それが光の戦士たる冒険者の進むべき道なのだった.