プロマシアミッション5-3-2「楽園を求めるには」その5
それは1万年前に定められていたのだった.
世界の終わりによってもたらされる新たなる世界は,霊獣たちにとって不都合な世界.だから霊獣は,人の弱みに付け込み世界の終わりを避けようと企んでいる.ナグモラーダによって明かされたその話は本当なのだろうか.鳳凰丸はその疑問に答えることなく,ただ「フェンリルの扉」を目指せと繰り返すのだった.
フェンリルの扉がある魔法塔は,ボスディン氷河の南にあるのだった.
ソ・ジヤを全て回っておいた甲斐があった.
ソ・ジヤに辿り着くとイベント.
鳳凰丸はナグモラーダが語ったことを認めたらしい.
ゴザル「『楽園の扉』が開かれたとき,霊獣たちは獣と成り果て・・・」「そして我らの暮らすヴァナ・ディールは楽園となり,眠れる神々が目覚めて祝福を満たすということを・・・」
(でも,誰にとっての楽園なのかはまだ分からない.それは「眠れる神々」にとっての楽園であって,そこには人が存在しないのではないか)
ゴザル「しかしそれは,死せる神が復活を迎えると同義」「それが悪しきこととなるか,それとも善きこととなるか.霊獣フェニックスにもわからぬとか」
霊獣たちの企みが事実であると知り,霊獣たちの企みを知ってもなおその先が不確かな事に,テンゼン殿は悔悟する.
「虚ろなる闇」を打ち払うフェニックスの力を手に入れるために,どれほどの罪なき人々の「命」を犠牲にしてきたのか,と.
そこには罪人ばかりでなく,「虚ろなる闇」によって眠りについた無垢な人々をも含まれていた.
それは,世界の終わりを止めるための糧になると,未来の礎になると一途に信じて払ってきた,「抗えぬ定め」と言う名の膨大な犠牲なのだった.
彼は武士として主君の命に逆らうことができない.
だから,彼は冒険者に請う.
ゴザル「この先.万が一,霊獣フェニックスが人の義に反する導きを示し,吾輩が人の敵となりしときは迷いなく・・・」
不器用なモノノフの,それがけじめのつけ方なのだった.
フェンリルの迷宮(仮)は,迷宮中央で螺旋を描く通路を使わないルートが正解なのだった.
つい先日来たばかりで攻略法は頭に入っていたので,あっという間に「フェンリルの扉」に辿り着く.
前回は反応しなかった扉が開き,
その奥には,カーバンクルの扉と同じく「魔導器」が据えられていた.
魔導器が起動すると光の塊が現れる.
届く声はか細いが,これがフェンリルの力の一部のようだった.
霊獣を前に名乗りをあげるテンゼン殿.
フェニックスの存在に気付いたフェンリルは何かを語り掛けるが,その声は弱々しくよく聞き取れない.
(ウィンダスミッションでは「星月の願い」によってカラハ・バルハの策略で滅んだはずのフェンリルは復活している.ただし,その力はまだ弱く,本来の力を取り戻すには年月が必要だ.この魔導器には1 万年前のフェンリルの力が蓄えられたままなのだから,再び満たすほどの力は回復していないと言う事だろう.一部の台詞が整合してないけど)
ゴザル「霊獣フェンリル,そなたは何を語らんと!?」
その声が届いたのか届いていないのか.フェンリルはまるで独り言のように言葉を紡ぎ,残された力をもってテンゼン殿にフェンリルの記憶を見せる.
それは 1 万年前のウィンダス.
古代の民がその滅びを迎え入れた,おそらく「楽園の扉」計画失敗後のある時.
人々の前に現れた霊獣はこう告げる.
狼「永く短きその営みを繰り返し,最後の命の炎を燃やし尽くすといい」
「セルテウスと霊獣が交わした契約が果たされる」まで,つまり「世界の終わりに来る者」が現れるまでが,人に残された時間なのだった.
だが,その場にいたエシャンタールはフェンリルの言葉に抗う.
エシャ様「お待ちください,霊獣フェンリル.私たちの未来はいまだ,決定されたわけではございません」
エシャ様は言う.彼ら古代の民の生き残りは「新たな定めを生み出していただくため」にフェンリルの許を訪れたのだと.
もちろん,エシャ様は「世界の終わりに来る者」が現れ人すべてを黄昏,その終焉へ導くことは必然であると理解していた.
だが,こうも言う.
エシャ様「霊獣たちと交わされた契約は,『世界の終わりに来る者』を打ち破ることにて反故されると」
狼「確かに,我らの結んだ契約はそれだ」
フェンリルはエシャ様の言葉を肯定する.だが,こうも言う.人に課せられた呪縛には逆らえない.その役目を負ったセルテウスの亡きいま,誰が成し得るのかと.
エシャ様「私が,その答えを見出したと思います」
神都アル・タユで世界を賭した戦いに敗れながらも,セルテウスは人の生きる術をエシャンタールに託していたのだった.
その言葉にフェンリルも気づく.
エシャ様が「『虚ろなる闇』から解き放たれた奇跡の存在」であることに.
(「解き放たれた」と言う事は,エシャ様も一度は「虚ろなる闇」に囚われたということなのだろうか.もしそうであるならば,彼女の存在自体が,男神の呪いから人間を救うためのカギのような気もする.エシャ様が現れた棺のような装置「虚ろの器」を前に,イブノイルは「私はジラートの人々を裏切ろうとしている」と 言っていた から,彼女の存在自体に何か大きな問題があるのかも知れないが・・・)
エシャ様は不老不死の存在らしい.
(プリッシュも,己の中の「虚ろなる闇」が結晶化することによって不老不死化していた.「虚ろなる闇」から解き放たれると言う事は,不老不死をももたらすのだろうか.そう言えばジラート王子も左目がつぶれていたが,あれも結晶化かも知れない.彼が幼い姿のままだったのはその影響かも)
その彼女が請う.
エシャ様「霊獣フェンリル.『その時』を作ってください.『定めの時』を.『世界の終わりに来る者』が生まれ落ちる『定めの地』を・・・」
それさえ定められれば人にも勝機がある.永遠の命を持つエシャンタールと永遠に続く血の縁を持つ人間が,必ず勝機を見つけ出す.
狼「人よ,定めを担うは,そなたが想像するより遥かに重く険しいことよ」「人の定めをそなたひとりで担えるかな?」
神獣はエシャンタールの言葉に懐疑的ではあったが,人の願いを星月に届けることがフェンリルの役目.
狼「ならば我は,そなたたちの行く末を見極めてやろう.さぁ,月詠みを始めようではないか」
神獣はエシャ様の望みどおり,「定め」を定める「月詠み」を始めるのだった.
(あれ,ウィンダスミッションでこの時のフェンリルは滅びた事が明らかだから(月詠みを反故するために 20 年前にカラハ・バルハが策を弄したのだから),この「月詠み」も反故にされている気が・・・.まあいいか 笑)
そして,その時その場所が定められる.
狼「・・・1万年の時を経て・・・『世界の終わりに来る者』は・・・生まれ落ちる・・・『定めの地タブナジア』に・・・」
(1 万年と言う永い時間がこの時に定められたのだから,ああ言いながらもフェンリルは人が成し遂げることを信じていたのかも知れない.フェンリルは人の願いを届け,星月の力によって叶えるための存在なのだから)
フェンリルが見せた夢に混乱するテンゼン殿.
だが,フェンリルが示す「世界の終わりに来る者」が誰なのかは明らかだった.
ゴザル「タブナジア・・・.忌むべき子・・・.しかし・・・,しかし・・・」
テンゼン殿にとって,関係者にとって,それは受け入れがたい 1 万年前の真実なのだった.