アトルガンクエスト「冥路の磁針」その3
記憶喪失系転生勇者の本領が発揮されるのだった。
おそらく次のクエストが発生するだろうと期待して皇宮へ向かったが、何も起こらない。
仕方がない?のでナジャ社長の許へ向かったが、
ん??
あれ?
は?
前々回 とまったく同じ展開になり、まったく同じ名前のクエストが発生した。
・・・これはもしや・・・ループ?
え?
取りあえず「古びた御守」を手にいれ、
鑑定に失敗し(3勝2敗)、
また「古びた御守」を手に入れ、
今度は鑑定に成功し(4勝2敗)、
着替えをして「戦神の御守」を手に入れ、
術式を施し、
取り戻したい、彼女の笑顔を(照れ)
双人形の期待を背に、
偽オーディンと対峙して、
撃破後、
オーディンへ願いを告げる段まで進めた。
ループ。
禁断の書物に拠れば、生命の危機に瀕した際に発動する何らかの超常的な力によって時を遡る行為、あるいは遡った状態を指すらしい。「死に戻り」と呼ぶ書物も散見される。
時間軸方向に移動していた人物が、とあるB地点でループに巻き込まれA地点に戻されたとする。この場合、当該人物はA地点とB地点を永遠に周回(ループ)することになる。そう書には記されている。
幸いにして、この世に数多ある禁書(「なろう系」と呼ばれる)を紐解くことで、このループを抜け出す方法は容易に理解できる。
A地点からB地点へ「移動してしまう」から、B地点のループに巻き込まれるのだ。ならば、B地点へ至る前に別の道へ進めば良い。
そう、異なる選択肢を選び別の道(ルート)へ進めば良いのだ。
そう先人は記している。
・・・。
ダメだった(笑)
前回と同じ台詞を残して冥路の騎士は去る。
皇宮でのやり取りも、
前回と寸分違わず、
ナジャ社長も気前よく金貨1枚を賜った。
あれ? これ、黄金貨を無限に稼げるんじゃね?? 凄くね???
おっと現実逃避している場合じゃない。失敗の原因は分かっている。これも書に多く記されている典型的なパターンの一つだ。OK、予想は間違っちゃいない。先人の記録を分析すれば、このような事態が多く観測されることに容易に気づく。選択肢を変えることでC地点に至るつもりが、その道が結局B地点に続いていたパターンがそれだ。
そして、その解法も先人の知恵に依ればいい。答えは、更に別の選択肢を選ぶ、だ。
CルートがB地点に至るのならば、Dルート、Eルート・・・を選んで別の道を探ればいい。たとえそれらが全てB地点へ至ったとしても、ループの法則によりA地点からまたやり直せるのだ。
正解を引くまで。・・・永遠に。
え?
「古びた御守」を手に入れるこのループで、
召喚士のレベルも78に到達した。え、まじで・・・。
A地点、すなわちクエストの起点であるナジャ社長からやり直そうとしたが、どうやらフラグが立っていないらしい。
暇潰し 会社貢献のため1時間ほどミミズをシバき、
ヴァナ日を改めてから社長の許を訪れたが・・・変化がない。
え? もしかして、このクエストってリアル1日1回限定ってこと?? じゃあこのループを抜け出すにはリアル何日かかるの???
・・・まじで??(絶句)