Vana'daily

Vana'diel 一人旅の日々.ばなでいり.

バストゥークミッション8-2「その記憶を紡ぐ者」

自分の記憶力に自分で驚くのだった。

 

神ってるってやつ?(2016年新語・流行語大賞

バスミッションの続き。

ミッションタイトル的に誰が主人公なのかバレバレだけれど、なぜか「クフタルの洞門」の調査を行うらしい。

依頼元はツェルーン鉱山に居る彼だった。偽語り部の際にもお世話になったガルカの守衛だ。

あの時と同様にアイアンイーターがやってきた。そして、あの時と同様に何かの問題を抱えている様子で、悩まし気な顔をしながらガードに話しかけた。

鉄喰「その後どうだ? コロロカの洞門を解放しろと いう要求は増えていないか?」

守衛「あんな危険なところを 一般人を通す訳にはいかないでしょうに・・・」

鉄喰「人は隠せばそこに何かあると 思い込むものだ。一刻も早く調査結果をまとめるしかないか・・・」 

今回の調査にアイアンイーターも同行するつもりらしいが、騒動冷めやらぬ鉱山区の様子が気になるらしい。

鉄喰「まるで地下にひそむ 溶岩のようにその不満、憎悪が彼らの中で 温度をあげつつあるのを感じ取れる・・・」

「それと・・・」と前置きするアイアンイーターは、どうやらザイドの言う「語り部」の件も気になっているようだ。

ウィンダス生まれのタルタルとしては、グンパの件はグンパ本人に任せるしかないと思い何も言わずにいると、

鉄喰「ともあれ、今回の調査は君に任せる」

と調査を諦めたらしい。語り部の件で何かが起こる可能性があり、銃士隊No.2として鉱山区の治安維持を優先したいのだろう。

鉄喰「未確認情報だが、ウェライが クフタルの洞門に向かった、という話もあるのだ」「その証拠となる品を 持ち帰り、このドレイクファングに報告してほしい」

調査内容を聞いてさっそくクフタルの洞門へ向かう事にした。

ウェライの件は結論付いたはずだが、まだ何かを調べたいらしかった。アイアンイーターはゼプウェル島に関し「一刻も早く調査結果をまとめるしかない」と言っていたから、鉱山区の動揺を抑えるための情報収集なのだろう。ウェライの遺した手紙だけでなく「転生の旅」へ向かった確実な証拠を手に入れたいのかもしれない。

地図に描かれている通り、「クフタルの洞門」は「西アルテパ砂漠」から繋がる地下洞窟だ。地図は何葉かに分かれているが、北へ向かうことで最終的には「テリガン岬」へ至る。「ゼプウェル島」と「クォン大陸」を繋ぐ海底通路と言うべきモノが「クフタルの洞門」なのだった。

で、相変わらずマーカーが無い。悲しい。

ちなみに、「ゼプウェル島」とクォン大陸を結ぶ地下洞窟はもう一つあり、それが最初に話題となっていた「コロロカの洞門」だ。こちらはバストゥークのツェルーン鉱山に繋がっている。

敵の配置としては Lv65~70帯 の敵が主に見える。細かくは憶えていないが洞窟自体はかなり巨大なので、探索範囲は広そうに思えた。虱潰しに探すしかない。

そうそう入り口はリザードだらけなんだよねーと思いながら、

そう言えばチェックポイントがあったのでは?と探してみると

「砂の中に木片が埋れている・・・」のメッセージ。

え? こんなメッセージ出たっけ?・・・と思いながら拾おうとすると

「木片は崖の下に落ちてしまった!!」

え? これ何のクエストなんだろう・・・。

マップ的には入り口すぐの場所。

赤いポインタがある(リザードだらけの)広場を東に進んでグルリと周り込むことで「崖の下」へ行けるので、

早速向かう。

緩やかな坂を少し下ると階下に至り、そこは Lv70青 から見て「丁度」前後の敵がヒシメいていた。

ゴーストもカニもアクティブだから面倒だなー(笑)

半分は経験値稼ぎ、半分はラーニング目的で敵を倒しつつ「崖の下」へ向かう。

で「崖の下」。崖の上は画面左上にあたる。

チェックポイントを発見するも、真下と言うよりかなり離れた位置にあるらしい。木片はどこかに当たりながら跳ねて?転がって?あの位置まで行ったのだろうか。

ゴーストだらけなので端から順に倒しつつチェックポイントを目指す。

MGS魔法を使用してもチェック時は解除する必要があるので、周辺のアクティブな敵は掃討しておいた方が安全だ。

お陰でレベルが上がり、

ようやくチェックポイントへ。

「魚の骨が散らばっている・・・」

思わず二度見した(笑)

敵のリポップが早く倒したゴーストたちが再出現しつつあったので慌てて戻ろうとしたら、まさしく「崖の下」にチェックポイントを発見。

なんだ、地形に隠れて見えなかったのか。

ゴーストのリポップを気にして慌ててチェックしたら「嫌な気配がした・・・!」

Lv71青。若干こちらが強い印象。

ヒーラーのMPが底を突いたところで3匹を撃破。

ボス戦よりも、周辺のゴーストがリンクしないかヒヤヒヤした。

再チェックすると、

「これを拾った冒険者へ・・・ ウェライ」

と書かれた木片を見つけた。

全然関係ないクエストかも?と思っていたが「ウェライ」の文字を見て安堵する。まさかいきなり正解とは。

ウェライ「長い最後の旅の末、ようやくこの地を見つけることができた・・・」

木片にはウェライの思いが綴られていた。

ウェライ「ここは悲劇の場所。アンティカにゼプウェル島から追われたガルカたちが 逃げ込み、そして・・・」

ウェライ「すべての者が行き止まりの この崖に追い詰められ命を落とした・・・」「新しい地にて新しい生を 求めたガルカの民の無念がこの地には うずまいている」

(だからゴーストだらけなのか・・・ 南無)

ウェライ「彼らのためにも・・・」「新天地を得られた我々バストゥークの ガルカは過去をうらやむような生活をしては いけないはずだ。そのことをこの地で強く思う」

ウェライ「私にはもう時間がない・・・」「もしこれを拾った冒険者がいれば、是非これをバストゥークのガルカの民の下に届けてほしい」

そして、最後にはこう綴られていた。

ウェライ「過去を振り返りたいと思うのなら、未来を願った彼らの想いを、無にしないでくれ・・・」

いずれ朽ちてしまうだろう木片に、ウェライはなぜ思いを綴ったのだろう。

見知らぬ冒険者に手紙を託したように、これもまたその行方を運命に託したのだろうか。その真意を問うことはもはやできないだろうけれど・・・。

念のためグンパの許へ向かってみたが何も起こらなかった。

鉱山区のガルカに宛てたモノであったから、ウェライに次ぐ長老などにもあたってみたが、ここでも反応は無かった。

最初の指示通りにガードの許へ報告に戻ったが、

急に周囲が慌ただしくなった。

監督官「大変なことになったわ! 鉱山区のガルカたちが鉱山の入り口に 押しかけてきて・・・」

慌ててて入り口に向かうと、

何人ものガルカたちが集まり、周辺は騒然としていた。

アイアンイーターが言う「地下にひそむ溶岩」が今まさに地上に噴出しようとしている、それほどの熱気が周囲を満たす。

ガルA「どうして冒険者にだけ コロロカの洞門を開放するんだ!」

ガルB「鉱山労働者として こき使われるためだけに この地にいる訳じゃない」

ガルC「冒険者だけ行かせるってのは、知られたくない何かがあるからじゃねえのか?」

ガルD「もうヒュームたちに 歴史を曲げられたり、隠されたりするのは たくさんだ!」

(ヒュームたちが歴史を曲げる? 隠す??)

ガードA「お、おまえたち落ち着け・・・な」

ガードB「そうだぞ! 洞門を封鎖しているのはおまえらの安全のためにだな・・・」

なんとか場を納めようと現れた守衛たちだったが、猜疑心に駆られたガルカたちの耳に声は届かない。

鉄喰「なにごとだ、これは!?」

遅れて到着したアイアンイーターはその場の光景に息を呑む。

少年「なんとかしてよ! 冒険者だけにコロロカの 洞門開いて、オレたちを閉じ込めようとするから こんな騒ぎに・・・」

鉄喰「何をバカなことを・・・」

思わずそう口にするアイアンイーターだったが、ガルカたちの言葉をいくら否定しても無駄な事は十分理解していた。彼らを説得するための材料集め、そのための調査だったはずだが・・・、後手に回った事にアイアンイーターは知らず唇を噛む。

その横を飄々とした様子で通り抜ける少年の姿。

グンパ「・・・いい加減にしろ!」

群衆を見下ろす位置に立って一喝したその少年は、いい大人たちに向かって続く言葉を捲し立てる。

グンパ「いつまでそんな妄想に とらわれているんだ!」「コロロカの先に何があるか・・・だと!? 知っているはずだろ!! そこにはただ砂漠が広がっているだけだ。そんなところを理想郷だと思いたいのか?」

ガルE「ガキは引っ込んでろ!」

ガルF「ガキのくせによお・・・。まるで自分が見てきたような言い方だな」

グンパ「・・・見てきたよ。100年ほど前にね」

ガルG「100年・・・だと? おまえはまだ転生して20年ぐらいでは・・・?」

疑問の声に答えることなくグンパは続ける。

グンパ「なんのことはない、洞門を 抜けたら、そこには広がる砂漠と点在する遺跡が あっただけだ」「あんなのが理想郷か?」「そんなことはみんな知っていたはずじゃないのか? 1人のガルカが記憶を伝えないと歴史は語り継げないものになってしまったのか?」

少年「グンパ・・・」

鉄喰「おまえ、まさか・・・」

グンパは、もはや語り部であることを隠さなかった。語り部であることで何ができるのかを、何をすべきかを決意していた。だから、

グンパ「ガルカの民に問う!」

高らかにそう宣言したグンパは、群衆一人ひとりに問いかける。語り部が居なければ一人立つこともできないのかと。

グンパ「我々は、語り部がいなければ記憶を 紡ぐことのできない種であったのか!?」

グンパ「たしかに・・・ヒュームたちに 憤る日もあるだろう・・・。ヒュームの目に映る世界と 我々の目に映る世界は違うものなのかもしれない」「しかしそれは、我々ガルカの間でも同じだ」

グンパ「考え方や認識の違いなど、あって当然だろう、しかし我々は共にこの地に 立っている! 生きているんだ!」「我々の未来は・・・このバストゥークと共にしかないんだ!」

語り部は過去を紡ぐ。ならば、ガルカの民は未来を紡ぐべきではないのか。過去を夢想するのではなく、未来を希望するべきではないのか。

グンパ「語り部なんていなくたって ボクたちは、記憶を紡ぐことができるはずだ」

その顔に微かな笑みを浮かべながらグンパは言う。

グンパ「この街の皆が、運悪く200年前の記憶をもって転生してきたガキの言うこと なんて聞く必要はないんだよ・・・」

グンパはガルカの民を呪縛から、語り部から解き放とうとしていた。そしてそれは、ザイドが言うように語り部にしか為しえないことだった。

グンパ「けど、みんなが迷うことがあるなら、ボクも少しでも力にならせてほしい」「語り部なんていなくても みんなが希望をもって生活できるように・・・」

静かになった群衆の中をグンパは静かに歩む。

少年「グンパ、おまえ・・・」

グンパ「これで、あいつも・・・ウェライも、喜んでくれるよね、きっと」

ウェライの木片は間に合わなかったが、200年来の親友の心は通じていた。グンパは語り部としてではなく、語り部のグンパとして為すべきことを為した。それこそが、ウェライの望んだことだった。

いつしか寄り掛かる存在となっていた語り部だったが、本来の語り部とは、正しく未来を見つめるために正しく過去を知るための存在として遣わされたのかもしれない。

語り部の20年もの不在がもたらした民の不安と疑心は、グンパの決意によっていずれ正されていくのだろう。

調査は間に合わなかったが、語り部を巡る物語はこのようにして未来へと繋がり、その一助となった冒険者はランク 9 へと昇格するのだった。

一連の騒動の後、グンパの許を訪れてみた。

彼は自らが語り部として不適格であると今も考えているようだった。語り部として名乗りをあげたことで、これまでの様々な事が、関係が、変わってしまう事を恐れているようだった。

語り部のグンパとしての行いが正しかったのか、彼にはまだ自信がないのだろう。それはいずれ時が解決してくれるように冒険者には思えた。

なぜなら、少なくともアイアンイーターはグンパが示したガルカの道に賛同していた。

そして、グンパをライバル視するあの少年もグンパに理解を示していた。

鉱山区に居るガルカたちがいま何を考え、今後何を行うのかは判らなかったが、「我々は共にこの地に立っている! 生きているんだ!」と言うグンパの言葉だけは否定できないだろう。アイアンイーターや少年のように、現実を受け入れ未来を見据える者たちが増えることを願うしかない。バストゥークとは、未来を見据える者たちの場所のはずだ。

そして・・・未来を憂う理由は今のところ見当たらない、そう冒険者には思えた。ウェライの木片がその一助になるだろうことは容易に想像できる。今はもう居ない親友の存在がグンパをこれからも支えてくれるだろうと、グンパの存在が、あの演説がガルカの民を変えていくだろうと、そう信じられた。