Vana'daily

Vana'diel 一人旅の日々.ばなでいり.

サンド〔S〕クエスト「少年たちの贈り物」

そして始まる、次なるお姉さまとの新たな日々。

 

三度目の正直じゃん?

お姉さまかと思ったらオネエさまだった件の続き。

ブリリオート舞踏団の一員として新たなライバル マヤコフ舞踏団のショーを見たい。・・・ような見たくないような複雑な気持ちでチケット入手に奔走した。

奥さんバレした男性客からチケットが入手できるのではないか? そう思って街中をウロウロしていると、

あの「番犬横丁」で

大変な騒ぎになっていた(白目)

番兵「例の口達者なオークが 脱獄したのだ! しかも、他の捕虜も ほとんど解放して・・・」「何者かの手引きがあったことは明白だ」

血の気のサッと引く音が耳元で聞こえた気がした。

あわわあわわと言葉にならない言い訳を口にしたりしなかったりしていたら、遠くから可愛い怒声(?)が聞こえてきた。

少年エル「・・・大人が何もしないなら オレたち少年騎士団が、そのドッグとかバックとかいう奴をやっつけてやるよ!」

興奮する少年の向かいには対照的に冷静なイケメン エルが居た。

大人エル「・・・エグセニミル。軍の事情に口出しをするな。お前は家に帰っておとなしくしてろ」

まったく聞き耳を持たないその言葉に一瞬唖然とした少年騎士エグセニミルは、

エグセ「・・・!!」「大人はいつだってそうだ・・・。あのときだって、大事な時に親父は・・・!」

とだけ言って唇を噛む。

なるほど親子喧嘩か・・・と思いながら互いに睨み合う二人を眺めていたら、

オールバックの少年騎士が駆けてきた。

オールバック「おーい、エグセニミル!」

エグセ「・・・ラーアル。どうした、そんなにあわてて」

ラーアル「ビスティヨの奴、ついに例のブツ、完成させたらしいぜ!」

エグセ「本当か!?」

彼らにとって「例のブツ」がどれほど大事なのかは判らなかったけれど、少なくとも父親との意地の張り合いよりは重要ごとなのだろう。

エグセ「・・・ふんっ、覚えておけ。こんな戦争、オレが終わらせてやる! 大人なんかに任せてられっか!」

そう言うと少年二人はどこかへと走り去って行った。

彼らの事が気になったので番兵に尋ねると、

番兵「ん、あの方か? あの人はノルバレンに領地をもつ名門、オルシャー家の当主にして王国大騎士であられる アルフォニミル伯爵だ」

と教えてくれた。

ん? オルシャー家?

あの人語オークが持っていた指輪がオルシャー家のモノでは無かったか。

そのアルフォニミル伯爵は、少年たちの背を見送った後に独り言ちていた。

アルフォ「跡継ぎ息子がああなったのも、私の不徳の致すところか・・・」

複雑な事情がありそうだったが、ここで何かを詮索しても墓穴を掘りそうだったので黙っていたら、

ふと振り返った伯爵が番兵に話しかけた。

アルフォ「王都がオークの・・・包囲の憂き目に遭って以来、治安は悪化の一途をたどっている」「次々にトンベリの刺客が放たれ、過日、ついに神殿騎士団長ムシャン様までが 兇刃に倒れた」

トンベリの話はバス〔S〕で聞いたとおりだったが、

アルフォ「そして、吊り牢の脱走事件。王都にまだ、賊が潜んでいるやもしれん」

と言われて背筋が凍る。

ヤバイ。脱牢が刺客と同列に扱われているとしたら、もし手助けをした事が知れたらどうなるか判らない。下手をすれば監獄行き、誰にも知られることなく拷問の末に・・・。

恐ろしい考えに頭がクラクラし、気が付くと伯爵の姿は無かった。

大騎士が声をかけてくれたことに興奮したのか、随分と饒舌になった番兵は「伯爵は心労が絶えないらしい」と語ってくれた。

曰く、伯爵が指揮するノルバレン騎士団が敗走したばかりか、神殿騎士長の暗殺で王立騎士団と神殿騎士団との共同作戦も実現が危うくなったと言う。

オークの台頭で思うように事が進まず、伯爵は息子にまで手をかけられないのだろう。故にあの親子喧嘩なのかと思えば少し情が湧く。それに・・・厄介事を増やしてしまったことがなにより後ろめたい。

ついでに少年騎士団について尋ねてみた。

番兵「ああ、さっきの少年たちが勝手に名乗ってるだけだ」「この番犬横丁の奥に よく集まっている。大人が訪ねても 歓迎されないみたいだがな」

なるほど非公式のオママゴトなのか。ならば少し安心かも。

さっそく少年騎士団の許を訪ねると、

少年「止まれ、あやしい奴! ・・・用なき者と、大人はとっとと立ち去れ! ・・・であります」

と呼び止められた。

が、冒険者の背後に目をやった少年兵がキッとした敬礼をして何事かと驚く。

少年「だ、団長と副団長の ご帰還であります!」

少年兵が上ずった声を張り上げた。

エグセ「よーし! お前ら、集合しろっ!」

やってきたのは予想通りエグセニミル君とラーアル君だった。

その後は

エグセ「うむっ。ロロン警備隊長、見張りご苦労」

とか、

エグセ「おいっ、ビスティヨ作戦本部長!」「ほらっ、はやく例のブツ・・・」

とか、とやり取りしている様を温かい目で見守っていたのだけれど、

ラーアル「・・・なあ、エグセニミル」

エグセ「ん、なんだよ?」

ラーアル「・・・変なのがいる」

気付かれた。

エグセ「げげっ、なんでオレたち 少年騎士団の領地に大人がいんだよ!」

内輪揉めを始めた(笑)

と思っていたら目ざといロロン警備隊長君が何かに気づき声を張り上げる。

ロロン「報告であります。従騎士アルテニア様の、ご来訪であります」

場の空気が少し変わった気がした。

そのスラリとした長身のエル女性は

アルテ「あらあら、みんな。ずいぶんと楽しそうにしてるじゃない?」

と言いながら、さも当たり前のように少年騎士団の領地内を闊歩しつつ挨拶を交わしていた。

アルテ「ふふっ、任務ご苦労、ロロン警備隊長どの」

ロロン「ありがたき、お言葉であります!」

いつもと違う光景に気が付いたのだろう、アルテニアは冒険者にチラリと目をやりながら、

アルテ「あら? エグセニミル。こちらの方は・・・もしかして 新しい騎士団員?」

といかにも楽し気に隊長へと問いかけていた。

エグセ「はぁ!? ち、違うっ! こいつが勝手に、オレたちの領地に、突っ立てるだけだ!」

アルテ「あら、そうなの」

慌てる隊長はそっちのけで冒険者に向き直ると、アルテニアは大人の女性として丁寧に挨拶をしてくれた。

アルテ「はじめまして。あたしはアルテニア。ボーレル家の者よ。王立騎士団の従騎士でもあるわ」

ステキ・・・。

エグセ「なー、アルテニア。はやくその変な大人、どっか連れてってくれよ」

お姉さまとの邂逅に無粋な横やりを入れる少年隊長を思わず睨み返すと、

アルテ「はいはい、わかったわかった」

と大人の対応であしらう。ステキ・・・。

少年たちは放っておいて少し横で話しましょう、と言うお姉さまの言葉にドギマギしながらも、話ができそうな大人にようやく出会えて思わず色々と喋ってしまう。

アルテ「・・・なんですって? オークの虚言に騙され、オークの脱走を 助力してしまったですって?」

ああなんて余計なことを初対面の麗しき女性に話してしまったのだろうまだバレていないのだからもっと仲良くなって本心を話すべきだったのに思わず浮かれてある事ある事全てを話してしまうなんて私はなんとバカなのかきっと嫌われてしまっただろうし下手をすればこのまま監獄へ連れt

アルテ「・・・」「・・・いいわ、信じましょう。よく、正直に話してくれたわ」

僅かな沈黙の後に発せられた大人な返答に思わず涙が出そうになる。

オークに騙され伯爵には迷惑をかけ子供たちには邪険にされミッションは進まず、これから男たちの只中でイカガワシいショーを見せられるのかもしれない。

サンドリア〔S〕に来てから碌なことが無く不安ではちきれそうだったのに、不意に訪れたこのぬくもり。包容。

・・・女神か。

冒険者の話を聞いてブツブツと独り言ちる彼女には、もしかしたら何か気がかりがあるのかも知れない。

口達者なオーク。オルシャー家当主の証である、一角獣の紋章が入った指輪。オークと密談を交わす神殿騎士ダルヴィーユと牢の鍵。

アルテ「もし、オークが持っていた指輪が本物なら、」「なぜ、オークが持っていたのかしら・・・」

アルフォニミル伯爵はノルバレンで敗走したと言う。その際に指輪を奪われたのかも知れない。あのオークは捕虜だったから、彼?がどこで捕まったのかが判れば謎が明かされる可能性はある。

・・・あれ? サンドでも迷探偵役になるのかしらん。

アルテ「それにあの 神殿騎士ダルヴィーユ・・・、そう・・・」

何かの含みを持たせた女神の言葉が気にかかったけれど、熟考の末に御柱はこう宣われた。

アルテ「・・・ねえ、冒険者さん。あなたを見込んで、ひとつお願いがあるの」「ここの少年たちの後見人に なってもらえないかしら」

ええ、ええ、いいですとも。むしろ、そうさせて頂きたく思う所存にございまする。

アルテ「こんなにも王都で奇妙な事件が 頻発すると、あたしとしては、子供たちが とにかく心配で・・・」

女神か。いや、大地母神か。

アルテ「その代わりといっては何だけど オークの脱走の件は、あなたとあたし、ふたりだけの 秘密にしておいてあげるわ。安心して」

ふたりだけの秘密!

ああ何て甘美な響き!! 二人がともに背負う罪、その背徳感。でもそれは二人の心をより強く結びつけるためn

夢見心地でぼーっとしていたら、いつの間にか少年騎士団が集合していた。変な顔を見られていないだろうか。

アルテ「ねえ、みんな聞いて! この冒険者さんを 少年騎士団の仲間にしてあげて」

エグセ「そんなのダメに決まってんだろ!」

ロロン「エグセニミル団長、我輩も反対であります!」

ラーアル「うん。僕も反対だな。大人が入ったら少年騎士団じゃなくなるし」

ビステ「・・・ボクも反対ですね。そもそも・・・」

とムッチャ反対された(笑)

だが、女神はそんな言葉を一切聞かずに自分の言いたいことだけを言う。

アルテ「みんなそんな冷たいこと言わないで、仲よくしてちょうだい」

そして踵を返すと、少年たちが反論する間を与えず素早く去っていった。

アルテ「じゃ、あたしはこれから任務が あるから戻るわね。いい? ぜったい仲よくするのよ!」

あ、これ、勢いで話を通しちゃうヤツだ。

揉めた(笑)

団長はふと何かに思い至ったのか戦車に向かって語りかけた。

エグセ「・・・なあ、ビスティヨ。例のブツ、完成したってホントか?」

ビステ「・・・ええ、本当ですよ」

エグセ「ブツはどこにあるんだ、って聞いてんだよ!」

ビステ「・・・解ってます。からかってみただけですよ」

そう言うとビスティヨは戦車の腕を器用に動かして

ビステ「そこの箱の中を探して みてください。そこにある 金の羽根 が、それです」

と指?差した。

それを聞いた団長は満足そうに何度か頷くと冒険者に向き直り、

エグセ「お前が少年騎士団の 団員として、どれだけふさわしいか オレがテストしてやる」

と言い出した。「本気か!?」と言う問いにも「ああ、本気さ!」と自信は満々。

エグセ「もしちゃんとオレの命令を聞けば、次の作戦会議に 参加させてやらなくもない」

エグセ「そうと決まったら、」

と言うとエグセニミルはニヤリと笑いながら任務を告げた。

エグセ「ここに用意した、金の羽根 を大人たちに配ってこい。これはその・・・、ただの『お守り』さ!」

特に問うた訳でもないのに取って付けたように「お守り」と言い出すなんてアヤシすぎる。

が、冒険者の不信そうな顔に気づくことなく「まずは、・・・」とロロンが対象者の名を挙げていく。

計7名の「大人」にお守りを配れば良いらしいのだが、誰もが肩書き付きで錚々たる顔ぶれのように思えた。

だが、そこは他国からやってきた冒険者サンドリアの序列など気せず「お守り」を渡せばよいだろう。

エグセ「さあ、新入り。出勤だ! 言っておくけど 金の羽根 はぜーったい、失くすんじゃねーぞ」

失くしたら何が起こるのかに物凄く興味があったけれど、「心配だから」と言う女神の言葉に従い黙って任務をこなす事にした。

ロロンに再度話しかけると7名分がログに表示されたので、

そのスクショを片手に「広域スキャン」から渡し先を確認した。

ある者は少年騎士団に同情的で、

あるいは否定的だったけれど、

多くの人々は

「お守り」を配る少年騎士団に好意的だった。

・・・胸が痛い。

夜通しの任務を終えてロロンへと報告に向かうと、

エグセ「ふーん。ちゃんと任務を達成してきたみたいだな」

とあっけなく受け入れられた。少年とは言え、いや、少年だからこそ騎士としての矜持が大切なのだろう。

エグセ「お前も次の作戦会議に参加させてやる。本当は認めたくないが、騎士の約束だからな」

次の作戦会議は後日らしい。

が、「解散!」と高らかに宣言する団長の声は冒険者の耳に入らない。

エグセ「あと、これ。アルテニアがお前に渡せって。こんなもん、なんに使うか知らねぇけどな」

と渡されたモノに気をとられ、思考が定まらない。

嗚呼サンドリアのお姉さまから初めて頂いたそのアイテムは、

「デスストーン」。

 

どういうことよwwwww