サンドリアミッション7-1「教皇の威信」
姫様が姫様すぎて辛いのだった.
ランクが上がったので,クリスタルを献上してランクポイントを目一杯まで溜め,
次のミッションを受ける.
意外に歓待された.
龍王の秘宝「聖剣」がオークに渡っては,王国がより窮地に立たされてしまう.騎士団が捜索に乗り出しているが,明らかに人手が足りないから冒険者の手も借りたい.
それがこの呼び出しの趣旨だろう.
呼ばれなくても,教皇に依頼されなくても,元よりそのつもりだったけど.
先の大戦では,大聖堂所蔵の書物も多くが焼失してしまったらしい.
龍王の霊廟の所在が失われていたのも,それが影響しているのだろうか.
いやいや,そうそう忘れるものでは無いとは思うけれど.20 年前はデスティン王も在位してムシャヴァット教皇もその座に居たのだから,それよりはるか昔から失われていたと思った方がいい.デスティン王がとぼけているとは思えない.
なんて事を考えていたら,伝令がやって来る.
蔵書の調査中に「古語で書かれたしおり」が見つかったようだ.
解読したところ,そこには「我々の先達がボストーニュ監獄のどこかに重大なものを隠した」と書かれていたらしい.
「重大なもの」が「聖剣」なのかは分からない.
だが,隠し方を考えれば,人目に触れさせられないものであることは明らかだった.
さっそく王に報告せねばならないと言うピエージェ王子に,「下調べをかねて先に冒険者をやってはいかがでしょうか?」と提案する教皇.うーん.
「ここはぜひ・・・!」と食い下がる教皇だったが,「ここはやはり父上に報告すべきだと,私は思います」と,王子はその場を辞する.
教皇「ピエージェ様はああいっておるが,心の中ではお前に期待しておるはずだ.頼んだぞ!」
王子の名を借り,しかも勝手にその心を慮るなど,臣下としてあるまじき行為だった.
「聖剣」に関して執拗な教皇は,この「重大なもの」をいち早く手に入れて何をするつもりなのだろう.ラスト・ドラグーンの言葉を遮り,「聖剣」の危険性を知ると思しき教皇は,「聖剣」の力を我がものにしようとしているのかも知れない.あるいは「聖剣」がもたらした「悲劇」を隠蔽したいのか・・・「聖剣」が危険であるからこそ,教皇は「悲劇」を繰り返さないように無きものにしようとしている,とも考えられる.うーん.
「聖剣」が危険なものであったとしても,それをどう扱うべきかは,「龍王」の血筋である王家が決めるべき事のように思えた.
教皇が隠ぺいする恐れがあるのならば,それに先んじなければならない.
冒険者はボストーニュ監獄へ急ぐことにした.
ボストーニュ監獄はドラギーユ城の地下にある.
フランマージュ伯爵が 30 年前に謎の死を遂げた場所であり,王国騎士団長ラーアルによって竜騎士が監禁されていた場所でもある.
ちなみに,ここでは黒魔法「ドレイン」を入手するクエストが発生する.ドラギーユ城はクエストかミッションを進めないと入れないため,前世では競売での価格がそこそこ高騰しており,前衛職の金策の一つとして利用されていた憶えがある.
監獄の奥の小部屋には,部屋の中央に落とし穴がある.
守衛によれば,「かつては,反乱罪にとらわれた貴族が,この下へと落とされていたらしい.中は複雑な迷路で,散々迷ったあげく,最期は餓死するしかなかったそうだが・・・」らしい.
王家によくある暗部と言うところか.こわっ.
「下へ行く」を選んだら,迷いなくすとーんと落とされて思わず笑った.容赦ないw
ボストーニュ監獄.
落とし穴の存在は知っていたが,特に行く必要が無かったので放っておいた(笑) 前世では・・・イマイチ覚えがないが,サービス開始時は,落とし穴は下りられなかったのではなかったか.
複雑な地形と言う話だったが,ざっくり反時計回りに,一筆書きに近い形でマップを踏破できそうだった.まずは南西方面へ向かう事にした.
訓練本があったので覗いてみた.
Lv65 帯と Lv95 帯の敵が分布しているらしい.Lv95 はノンアクティブの可能性があるが,ミッションランク的には Lv65 帯の敵が居る場所を探索すれば良いように思えた.
入り口付近の敵は Lv69か から見て「楽」だったが,敵レベルには若干の揺らぎがあるため,絡んでくるものと絡んでこないものが混在していた.
ぱっと見で判別できず,気が付くと絡まれてすんなり進む事ができないため,逆にムッチャめんどいのだった.
(スクショに失敗してカーソルが消えたので,)〇印を付けた箇所に下り階段があり,
地下2階が存在していた.
ここの敵は「丁度」.
レベル帯的に適正に思えたので,地下2階の探索を進める事にした.
討伐対象の敵だったのでボチボチ倒しながら,
経験値を稼いで Lv70 になるのだった.
行き止まりなどを全てチェックしながら進んだが,探索の終わり頃になって,「あれ?ここってもしかして地下1階のトラップ(落とし穴)で落とされた先であって,探索する意味ないんじゃね?」と思い始める(笑)
が,最後の最後にチェックポイント発見! わーい.
周辺の邪魔な敵を倒して,
ヒーリングもして準備万端,いざチェック!
まじかーー.
泣きながら地下1階に戻り(笑),反時計回りに探索を進める.
西ロンフォールに繋がるらしい通路の先へ進むと,
こんなところに出た.
守衛は「餓死するしかない」と言っていたが,監獄地下には城外に抜けられる道が用意されていたのだった.政敵などを密かに葬る場所として地下迷路は使用されていたが,王家の人々を逃すための緊急時の退路と言うのが,本来の使い方に違いない.
なるほどねと思っていたら,出口にチェックポイントがあり,
調べてみたら「嫌な気配がした!」.
おおお?? この光景見覚えがある!
おそらく以前と同じ,前世で LS メンバの手伝いをした時に戦ったオークだ!!
むっちゃ硬いために長期戦になるが,(レベル差のお陰か)相手の攻撃力は低く,連携+MB で徐々に HP を削る.
ロボも III系の精霊魔法を唱えるようになっていて,確実に成長していた.わーい.
終盤は「百裂拳」でトリオン王子の HP を削りにくるが,時すでに遅し.
あーこの「百裂拳」もムッチャ憶えてるー.
オークが居た場所には「古代サンドリア語の石版」が落ちていた.
蓋然的には,これが「大事なもの」のように思えた.問題は,なぜオークがこれを持っていたのかと言う点だった.「しおり」の古代語が解読されたのは,つい先ほどだ.にも関わらず,誰よりも先んじてオークがそれを手にしている.オークへの内通者が居るとしか思えなかった.
解読者,伝令,教皇,ピエージェ王子.あるいは王子経由で王とその周辺.
絞り込むことは難しそうだったが,王国内にそれが居る事だけは明らかに思えた.
この件はまず守衛に伝えるべきか・・・と思ったが,「大事なもの」の事はまだ内密なようで,彼女は何も知らないようだった.
被疑者の一人だから気乗りしないのだが,結局,教皇の許へ報告した.
教皇「かつてランペール王はサンドリアの混乱を治めた折りに,その訓戒を石版に刻んだと言われている・・・」
ん?んんん? サンドリア関連で「石版」は何度も出てくる.いつも分からなくなってしまうのでまとめメモ.
プロマシアミッションにおいて,サンドリア大聖堂では サンドリア・プロマシア両国の興国のあらましを聞いた .
- 約 500 年前にランフォル・ドラキーユとアルフォロン・タブナジアが「2つの秘宝」を用いてそれぞれの国を興した
- 興国の戦いにおいて2つの秘宝は失われたが,その代わりに「2枚の謎めいた石板」が両国の大聖堂に残された
と言う事で,ここでいう「石版」は「謎めいた石板」のうちサンドリア側のものかも知れない.ただ,「聖剣」は(なぜか)タブナジア礼拝堂に安置され,その後に消失したはずだ(そして,罪狩りが捜している).
「石版」の解析が「聖剣」に繋がるかは未知数だった.
石版の解読には相当な時間がかかるだろう.だが,教皇の鼻息は荒い.
教皇「だけど我々にはこれを読みとかねばならぬ義務があるのです.必ずや・・・!」
教皇「この石版については私から国王に直々報告しましょう」
そう言いながら教皇は部屋を後にする.
本当に国王に報告するのだろうか・・・(笑) 王子も居るからするんだろうけど.
解読に時間がかかるらしいので守衛にミッション完了を報告したが,クレーディ王女から言付けがあるらしい.
守衛「以前貴公が持ってきた種が花を咲かせたから ぜひ見に来てほしい,とおっしゃられている」
いつの間にか「貴公」と呼ばれるようになっていた.
裏庭に向かうと,ちょうど,王女と庭師が水やりに来た少女を労っているところだった.
その少女は戦災孤児らしい.
王女「ヴァナ・ディールで罪なき血が流される限り,あの子のような悲劇はなくならない」
少女が去った後,そう言って顔をしかめる王女.サンドリアの王女としてではなく,この世界に住まうものとして現状を憂いているようだった.
そして,現状を変える力を持たない自身へのいら立ちも隠さない.
王女「私など花の種 1 つ手に入れることができない・・・.自分の力のなさに歯がゆくなります」
庭師「姫様が自ら敵地へ赴かれるなどとても無理な話でございます・・・」
王女と言う立場が彼女を縛っていた.
王女「では,大戦中のタブナジアのような状況になった時はどうします? みすみす王都が滅ぼされるのを待つだけ?」
それは庭師に対する問いではなかったが,彼女の立場が愚痴らせるのだった.彼女の言葉を真面目に聞いてくれる相手など,宮中のどこにも居ないのだろう.
ただ,冒険者には,彼女のこの考え方はトリオン王子に似ているように感じた.三人の跡継ぎの間には何らかの隔たりがあるように感じるが,虚心坦懐に話し合えば,何か進展があるのではないか.
王女「あのような悲劇は二度と繰り返してはなりません」「でも,私には一体何ができるのでしょうか.あなたの勇気がうらやましい・・・」
何かを思い詰めているかのような王女は,冒険者をここへ呼んだ理由も忘れているようだった.
王女「そうだわ,肝心の花を見ていただかなくては.ごめんなさい.ではごゆっくりと」
心ここにあらず.今の彼女にかけるべき言葉が,冒険者である私には見つからなかった.