Vana'daily

Vana'diel 一人旅の日々.ばなでいり.

サンド〔S〕クエスト「巨人偵察作戦II(ツー)」

恋敵(ライバル)出現!?と戦慄するのだった。

 

ちょっとだけ前回の続き。

息子が迷子になっている事を告げたお陰でようやく父が戻ってくるも、

泣きじゃくる息子の様子に腹を立ててしまう。

父「ええい、どうしてもわからぬようなら その腐った性根を叩き直してくれる。反省する までの間、そこに1人で立っておれ!」

息子「そんな・・・ひどいよ、お父さん・・・」

泣き止まぬ息子を横目に冒険者へ礼を渡すという父。だが、それは息子が欲していた青銅の剣なのだった。

息子「ああっ! そのブロンズソード・・・ひどいや・・・お父さん、それ、僕の・・・」

父「黙れ!! 貴様なぞ今日から、親でもなければ子でもないわ!」

うーん、この光景この構図は「現代」で見たなぁ。

彼は自分の息子に同じような事をして釣竿を取り上げたりしたのだけれど・・・。

だからと言って目の前の状態を放っておける訳もなく、泣き止まない彼を不憫に思って(「現代」で釣竿を返したように)ブロンズソードを返そうとすると、

息子「僕はこのブロンズソードで、僕の家族や街のみんなを守れるようになりたい」

と急に大人びた事を言って、

息子「だから、この剣は お父さんからしか受け取れないよ・・・」

と、剣を返された。

へぇ~~なかなか・・・と思いながら再び父親の許へ向かい、

息子の本心を伝えた。

それを聞いた父は「はぁっっーーーーー」と長い溜息と共に

父「まだまだ子供だと思っていたが、どうやら私は息子を見くびっていたようだ」

と後悔の念を口にしていた。

何かを決めたのだろう、すっと背筋を伸ばすと彼は

父「よし、わかった。この剣は受け取らせてもらいましょう。ただし、あなたから息子へのプレゼントとしてね」

冒険者に笑顔を向けた。

でスクショを撮りそこなったのだけれど(泣)、結論としては大団円。

息子の志を知った父はその剣を託すばかりか、友人から「ブロンズソード」を笑われた息子に「戦いというのは、より強い武器を身につけた、より腕の立つ方が勝つんじゃない。正しい者が勝つ」と諭すほどだった。

その後の息子は武器マニアになったりするのだけれど、それはそれで別の話。

諸々のお礼を兼ねて、父からは眼鏡を貰った。

おぉぉー釣りをしているPCが良く装備しているヤツだ! なるほどこんな良いモノが貰えるのか。また釣りスキルを上げたいからモグ金庫に大事に仕舞っておこう。

 

日課。白銀剣勲章を頂いた。結構カッコいい名前の勲章でお気に入り。

日を改めて少年騎士団の許へ向かったけれど、イベントが発生しない。

んんんんん・・・。

少年騎士団の話があれで終わるとは思えなかったけれど、そもそもは踊り子のチケットを探していたのだと思いだしてアチコチを歩き回り、

豆師の続きを聞いた。

どうやら騎士団との交渉は成立して塩の調達の目処が立ったようで、

豆男「出店の話は延期になったが、騎士たちがマメ料理で力をつけて、少しでも早く この戦いを終わらせてくれることを願うよ」

と殊勝な事を言っていた。その後はサンドリア港の一等地に店を構えるのだから、彼の技量も彼の思いも本物だったのだろう。

去り際、噂のマメ料理をお土産に持たされた。

飛命アップが魅力なので、まだ育てていないコルセアの育成時にお世話になろう。軍の戦闘食として採用されたのだから、きっと日持ちするはず。きっと。

その後もあちこちを歩いていたら、

凱旋門の門番でイベント。

彼と話していたらお姉さまがいらしたのだけれど・・・何この白いエル男(ジト目)。

不審そうに眺めていると、さすが社交的なお姉さま、すかさずそのエル男の紹介をしてくださる。

アルテ「こちらは フィリユーレ・S・デュフォン子爵。王都防衛の要、近衛騎士団の副団長よ」

紹介を受けた子爵は冒険者に気さくな笑みを向けた。

フィリ「お初にお目にかかります、冒険者殿」

なんとなくこちらの事を知っている風な口調。

もしかしてお姉さまは、わたくしの事を様々な方にお話しくださっているのかしら・・・。そう思うとこの男の事も悪い気はしない。きっと茶飲み友だちとかそこで出会っただけとかお姉さまのストーカーとか、そう言ったたぐいの有象無象に違いない。うんきっとそう。

そんなことを思いながらニッコリと子爵に笑顔を返すと、

フィリ「・・・おや?」

門番「・・・な、何だ!?」

開かずの凱旋門がひとりでに開くと中からズカズカと黒い男が現れ、

更にその先を駆けつけた神殿騎士団が塞ぐ。

黒男「そこをどけっ! 私をッ・・・! 私を彼女の代わりに、第一連隊に!」

行く手を阻まれたその男は物凄い剣幕でそう捲し立てると、

ボーレル卿!どうか城へお戻りください!と言う騎士団の声に、

黒男「ええい! お前たち! どけと言っておるのが聞こえぬのか!」

と更に声を荒げた。

目の前で繰り広げられる諍いに見て見ぬふりはできないのだろう、近衛騎士副団長は落ち着いた様子で男に声をかける。

フィリ「・・・どうした、ハルヴァー。いや、ボーレル伯爵」

・・・は?

ハルヴァー「邪魔立てするな、フィリユーレ! たとえ莫逆の友の 忠告であろうとも、今度ばかりは譲れん!」

オールバックにハルバード。確かに見た目はハルヴァーだ。

え? ん?? あ、いや、居てもおかしくないんだけど、彼の様子がおかしくない?(笑) え? 本物のハルヴァーなの?

ハルヴァー「大切な妹が ガルレージュ要塞に行ってしまうのだぞ!? それをただ黙って見ておれと言うのかッ!?」

・・・は?

ハルヴァーの言葉を聞いてフィリユーレはなるほどと頷く。

フィリ「・・・なるほど、そういうことか」「たしかに 危険を伴う作戦だ。王の尖槍たらんと 決死の反抗作戦に志願したアルテニアの胸裏・・・ 兄の貴公が汲まずして、誰がおもんばかる?」

・・・は? え? 兄? お姉さまの? え? ハルヴァーがお義兄さま??

子爵の言葉は本当らしい。彼の言葉にお姉さまは素直に礼を述べた。

アルテ「フィリユーレ様、ありがとうございます」

そして人騒がせな兄へ向き直ると、

アルテ「兄さん、大丈夫よ! あたしの槍の腕前をご存じでしょう? 簡単にやられたりしないわ!」

ハルヴァー「アルテニア・・・」

(たしかに、二人とも同じハルバードを背負ってる・・・)

妹がそこに居たこと、妹が本気であること、を知って茫然自失となったその虚を突かれ、

団員「ボーレル卿、失礼します! さあっ! 城にお戻りください!」

と掴みかかる騎士団員にハルヴァーは抗えない。

ハルヴァー「うおおお! アルテニア!」

ハルヴァーは遠ざかる妹を求め一心にその手を伸ばすも

その願いは叶わず、

門の向こうに消えた。

・・・合掌。

アルテ「兄さん・・・」

閉じた門、その向こうに居る兄をどう思っているのだろう。お姉さまのその表情からは何も伺えない。

フィリ「ああは言ったものの、私も少なからず 心騒いでいる」

フィリユーレはそう言いながら、お姉さまの瞳を正面から見据える。

なにこの雰囲気。

フィリ「そなたの属する 紅燕騎士隊は・・・みすみす後れをとったりはせぬと 信じているが・・・」「ハルヴァーのためにも、必ず帰ってくるのだぞ」

あああれだ。私のためにも、とか、私も待っている、とか、そう言えないフィリユーレは、お姉さまにとっての兄の友人の一人に違いない。二人の間はそれほど深くない。うんそうきっとそう。

いや、でもこれはなかなか厄介だぞ、とも思う。お姉さまの従軍が本当ならば、彼女がこのタイミングでフィリユーレと居たのは別れを惜しむため。たまたま凱旋門で出会った冒険者と異なり、少なくともお姉さまと子爵はそう言った挨拶をする仲ではある、逆に言えばその程度の親密さすら冒険者はまだ持ち合わせない。

下手をすればお姉さまと子爵は幼馴染み。時の積み重ねが違う。たまたま出会ったこのタイミングで、まだサンドに来たばかりで、いったい冒険者に何ができるのだろう。

なんてことで悩んでいたら、既に子爵の姿は無い(笑)

アルテ「ごめんなさい。お見苦しいところを お見せしてしまって・・・」「さっき 連れていかれたのはハルヴァー、あたしの兄です」

この場にいたお姉さまにはそう切り出された。

アルテ「実は、あたしの所属する隊が次の作戦で とても重要な役割を担うことになったの」

なぜお姉さまはここに残って居るのだろう・・・、ふと抱いたその疑問は次の言葉でどこかへ吹き飛んだ。

アルテ「もしかしたらあたし、みんなにもう会えなくなるかも・・・なんて」

・・・え?、と言う言葉すら口から出ない。

アルテ「もし・・・」

・・・もし。

「もし万がいち、あたしがサンドリアに戻ることが なかったら・・・」

・・・万がいち。

アルテ「そのときはあなたの手で、エグセニミルたちを守ってほしいの」

彼女がこの場に一人残った理由は既に明確だった。それ故にその先を聞くことが怖い。

アルテ「あの子があたし以外の大人に心を開いたのは 本当に久しぶりで・・・」「だから、エグセニミルを 任せられるのはあなたしかいないって 思ったの」

ああやっぱり悪い予感は当たっていたのだ。彼女の瞳が見つめているのは少年騎士団とその団長。

口惜しいと思った。とは言え仕方がないとも思った。

でも、

アルテ「どうか、あなたを見込んでのお願いです。引き受けていただけませんか?」

と言われた時に、急に怒りが湧いた。

お姉さまが居なくなる前提の話をどうして私が受け入れようか。そんな事すら解っていただけない事に怒りが湧いたし、もし解って言っているのだとしたら私の心を弄んでいる事に怒りが湧いた。

私が聞きたいのはそんな言葉じゃない。

また少年騎士団を巡ってお姉さまと他愛のないことを語り合いたい。笑い合いたい。今はただ、その日々が欲しい。たとえ幼馴染みに及ばないとしても。

だから一言「弱気にならないで!」と、またいつもの広場で会いましょうと、言った。

アルテ「・・・ご、ごめんなさい。あたしったら、どうしたのかしら」「そうよね、あの子たちを 残してこの世を去るなんて、考えただけでも ぞっとするわ・・・」

お姉さまは追い詰められていた。命の覚悟をしていた。でも、だからこそ、これまでの日々を、それを取り戻すことを、忘れないで欲しかった。

・・・想いは通じたのだろうか。

アルテ「ふふっ、ありがとう 冒険者さん。おかげで目が覚めたわ」

そう言ってお姉さまは久しぶりの笑顔を見せる。

そう言えば凱旋門で会ってから、彼女はずっと硬い表情のままだった。たとえ兄の醜態を眼前にしようとも。

別れ際、彼女は報告すべきことがあると冒険者に寄り、神殿大騎士ダルヴィーユに関して(ぜったい裏に なにかあるわ)と警戒を発した。

それだけを告げると、お姉さまは毅然と去っていく。

アルテ「じゃあ、今度こそ行ってきます。冒険者さんも お気をつけて。またどこかで」

またどこかで。そう言うお姉さまに口惜しさがぶり返す。

・・・私はいつでもあの広場で待っています。

涙で滲む彼女の背に向かって、そう、一人呟いた。

エグセニミルはお姉さまの出立を知っているのだろうか。

気になったのでロロンの許へ向かうと作戦会議が延期されたと言う。

理由を問うと団長と副団長が「ゲアルバン島の巨人偵察作戦II(ツー)」を展開中だかららしい。

そう言えばお姉さまが以前、そんな作戦で困らされた風な事を言っていた気がする。

その呑気な様から、おそらく彼らはお姉さまの事を知らされていないと悟った。

(もしかしたら、彼らがムチャクチャにしてくれるかも知れない)と、そう言う考えがなかった訳ではない。でも、お姉さまが従軍すること、その危険性を彼らが知らないこと、は、何かとても不義理な気がして彼らの居場所を尋ねていた。

団長と副団長は「ブンカール浦の橋あたり」で灰色の巨人を見に行ったかも知れない。

そうロロンが教えてくれた。

 

急がなければならない。イヤな予感がした。