ウィンダスミッション9-1「死者の人形」その3
うぉぉお! パズルのピースが嵌っていく・・・!,と感激せずにいられないのだった.
ボヤーダ樹に囚われていた元「手の院」院長「ゾンパジッパ」の手紙をアプルルに渡す.そこには,アプルルが知りたかったカーディアンに関する「説明」が書かれているのだった.
前回の話をまとめるとその「説明」とは,
- カーディアンたちの指揮命令系統は階層構造になっている
- その頂点は「エースカーディアン」だった
- しかし,カラハバルハが「ジョーカー」を作り「エースカーディアン」の「主人」を「ジョーカー」にしてしまった
- カラハバルハが 20 年前に死に「ジョーカー」も死んだ
- 「主人」を失ったカーディアンたちは「ジョーカー」復活を目論んだ
- 「魔法人形の伝説」により,「ジョーカー」が復活したことでカラハバルハも復活したはずだ
ゾンパジッパの説明によりジョーカーの正体が分かったその時,丁度良い事にアジド・マルジドもやってきた.
アプ「でも,わからないわ.いったい誰がどうやって,死者のカーディアンを生き返らせたっていうの?」
(サーセン)
アジ「それよりも,カラハバルハが蘇っているということの方が重要だ」「なぜ,神子さまの前に姿を現さない?」
ん? 少なくとも 2回,カラハバルハは神子さまの前に姿を現しているのでは??
「黒き使者」=「カラハバルハ」.
ここまで来れば単純な答えだ.なぜあの魔物のような姿をしているのかは分からないが.
アジ「そうだ,召喚だ.カラハバルハの目指した召喚は,『完全召喚』だった」「フェンリルの心を『完全支配』しようとしたのだ」
アジ「もしも,もしも・・・.それが成功してたのだとしたら・・・? 蘇ったのは,カラハバルハだけではなく・・・?」
そうか,カラハバルハがフェンリルの心を支配した状態で死んだから,ジョーカーの復活によって両者が共に蘇る事になったのか.そして,おそらく両者は混然一体となったままでいる.それがあの姿.「黒き使者」が「星月の力」のカタマリなのは,彼がカラハバルハであり,また,フェンリルでもあるからなのだろう.
アジ「満月の泉だ! まずい,神子さまを止めなくては!」
何かに気が付いたアジド・マルジドは,止める間もなく手の院を駆け出していくのだった.
彼を追いかけて満月の泉へ向かうと,神子さまは既にそこに居た.
フェンリルの言葉に残されていた「希望」に逸り,ここへ来たのだろう.
だが,満月の泉は以前と変わらず,暗く深い色を湛えるばかりだった.
神「この泉と同じようにウィンダスの未来もまた冷たく暗い闇に閉ざされた・・・と感じていました」「そして私は闇から目をそらし,見ることをやめてしまった・・・」
神「・・・私は闇に怯え,頼る光なしに歩めなかったのです・・・」
でも彼女はもう一度ここへやってきた.
セ「神子さまこそが光.ウィンダスを導く『導きの星』そのものであるのです」
頼る光が無いのなら自らが光になればいい.
神「あなたたちのためにも さぁ,今こそ,見極めなくては.私たちの前になにが待っているのか,を」
彼女は闇に怯え止まることを止め,光無き道でも歩み出すことを決めたのだ.
???「・・・そう,それこそがそなたたち人に必要な『意思』・・・」
キター
セミ様たちお付きの守護戦士達は強制的にデジョンさせられ,
神子さまは「ジョーカー」と対面を果たす.
神「まさか,あなたは・・・!」
ジョ「姿形は違えども,我が誰だがわかったようだな?」
彼は以前「半身」を探していると言っていた.そしてこの口ぶり.
・・・つまり「ジョーカー」=「フェンリル」なのか.どうしてそうなったのかは分からないが,おそらく原因はあの魔導球.いや,そもそも魔導球は「星月の力」を蓄えるモノ.強大な力を封じた魔導球ならば,そこには「星月の力」=「大いなる獣」の一部がある事と同義だ.
ジョ「我は,そなたに教えるために来た.そなたが呼び覚ました,願いの星・・・」「その願いの星が,この世界に,何をもたらしたかということを」
ジョ「神子よ,小さき民よ,思い出すのだ.始まりの神子の時代から,我が死へいたるまで,そなたらは永い永い予言に従い生きてきた」
ジョ「その予言は,始まりの神子の強き願い・・・『月詠み』から始まった.そなたのように この地へと降り注ぐ星月に願いを託すことから・・・」
・・・そうか,勘違いしていたのか.
「予言」は予め定められた運命を知る術だと思い込んでいた.でも「月詠み」はそうではなかった.それは初代神子さまの願い.強き願いを星月へ届ける事によって,天の意思を動かす仕組み.定められた未来なんて,初めから無かったのだ.
神「・・・ああ・・・.そうだわ,私は天文泉に願った・・・」「絶望に耐え切れず・・・あの時,死んでしまった,カラハバルハの・・・助けを・・・」
ジョ「・・・そう,その願い・・・.最後にわずかに残った星月の力が,その願いを聞き届けたのだ」
だからカラハバルハは蘇った.フェンリルと一体になった状態で.そしてそのために「ジョーカー」は蘇った.スターオニオンズが魔導球を手に入れる事で.
そしてそれは・・・
ジョ「驚くべきことだな,神子よ.そなたの希望,そなたの願いは期せずして,失われし星月の力が蘇る・・・その『時』を導かんとしている」「しかし,そのためには分かたれた我とともに,今一度,そなたの強い願いが必要になる」
ジョーカーが言っていた「時」とは「星月の力が蘇る時」を指していた.
確かに,この一連の事件にはフェンリルの化身である「ジョーカー」とフェンリルと交じり合ったままの「黒き使者」が関わっている.死んだはずのフェンリルが,期せずしてこの世界へ蘇ったのだ.
だが,「魔法人形の伝説」には時限がある.そして一体となったカラハバルハの存在も・・・
ジョーカーが神子さまに望む「強い願い」とはどのような願いなのだろう.
そこに到着するアジド・マルジドと冒険者.
ジョ「そなたの願いの星がついに来たようだ.あのまばゆい輝きが,いくつもの導きをもたらしてきたのだ」
おそらく「願いの星」とは冒険者のこと.20 年前に神子さまが窮地に陥り,そこで抱いた微かな希望であり願い.冒険者がウィンダスを訪れ,セミ様に出会い,様々なミッションで成し遂げた事は,すべてこの「時」に繋がっていたのだ.
ジョーカーは言っていた.
「『黒き使者』を再び,この星月の地へと導け・・・! 奇跡の『時』を起こすのだ・・・!」と.
「ジョーカー」=「フェンリル」の目論見は分かった.それは自身の復活だ.そして,フェンリルを蘇らせるためにはその半身である「黒き使者」が必要だ.そこには支配されたままの「フェンリル」の心がある.
「フェンリル」が復活することは「星月の力」の復活を意味する.もしそうなれば,神子さまの願い,言うなれば新たなる「月詠み」によって,再びウィンダスの未来を定められるようになるかも知れない.
最後のカードを揃えなければならない.時間は無いのだ.