限界突破クエスト10「最後の試練!」その3
弱点過ぎるのでは・・・と少し興が醒めるのだった.
翌日になってもバトルフィールドに入れず,少し難儀した.
15分くらいぼーっとして「今日も諦めるかなぁ」と思い,
念のため,別のバトルフィールドに向かってみたら普通に入れた.どーゆーことよw
FF11 のインスタンスダンジョン?の仕組みは良く分からないけど,ク・ビア闘技場がムチャ込みだったと言うことなのだろうか.その割には周辺に人が居なかったけど.
ID は他サーバと共有している的な話を前世で聞いたような記憶も微かに無いわけでも無いわけでもなくなくなーいなので,平行世界のどこかの闘技場では何か一大イベントが行われているのかも知れない.闘技場だけに.
Lv95 黒 アトリトゥトリ戦.
戦闘開始直後,アトリトゥトリに「いい物」こと「しっぽ亭の特製漬物」を使用した.
ア「ひぃっ!!」
「夢想阿修羅拳」を使わなくなった?と思ったが,そもそもアトリトゥトリがまったく攻撃してこない事に気が付く.
え? 漬物効きすぎじゃねw
フェイス達はやりたい放題(笑)
しかも効果時間がムッチャ長く,(左上の時計を見ると)約1分半後にようやくアトリトゥトリは正気を取り戻す.
でも即座に次の「しっぽ亭の特製漬物」を使うw
初戦は「夢想阿修羅拳」を連打されて酷い目にあったから,「これはいい!」と思って特製漬物を使ったが,
ア「あれれ,おかしいな.こんなはずじゃなかったんだけど・・・」
反撃すらしない相手を一方的にボコ殴りにする事に,アトリトゥトリ以上に「あれ,こんなはずでは・・・」と言いたくなる.何と言う罪悪感.
ア「ふぅ・・・.おい,そんなものを使うなんて卑怯だぞ!」
返す言葉が無いと思っていたら,アトリトゥトリの身体が光に包まれ,
消滅する.アトリトゥトリ・・・お前・・・消えるのか・・?
漬物が嫌いすぎてこの世から旅立った・・・? そんなにダメなの? え? 殺っちゃった??
ア「キミ,結構やるじゃない」
唖然茫然としていたら,背後からアトリトゥトリがやってきた.
ん? もしかしてあれは分身だった??
予想通り,冒険者が戦っていたのはアトリトゥトリの影なのだった.
冒険者が「魂の宝珠」を育てたのは修業の一環だったが,そのエネルギーはアトリトゥトリから影を分離するためにも利用されていた.一連の修行の工程は,最初から影と戦うために準備されたものなのだった.
なんだかバカにされたような気がしてアトリトゥトリ本人との戦いを望んでみたが,「いまのキミじゃ,到底かないっこないね」と一蹴される.
そもそも漬物のお陰で勝ったのだから,その言い分も当然か.いやいや待て待て本人にも当然漬物が効くのでは?と悪魔が囁くが,ここはぐっと堪える.
ア「でもまぁ,キミがこれでもかってくらい鍛錬したら,1% くらいは勝てる可能性が出てくるかもね」
そう言って,アトリトゥトリはこの場を後にする.
ア「僕と契約したこと,くれぐれも忘れないでね」
そう言い残して.
マ「おお,ついにやったか! でかしたぞい!!」
ノ「おめでとうクポ~! きっと勝てると思ってたクポ!」
と,思った以上に普通に勝利を祝ってくれた(笑) オメデトウの花火を打ち上げるクポ~!⇒ 爆発オチくらいはやってくれると思っていた.
こうなると,漬物なんて裏技を使った事がなんだかすごく後ろめたい.でも,勝てば官軍と言うか,弱点を突くのはむしろ正攻法と言うか,達人でありながら弱点を放置しているアトリトゥトリが悪いと言うか,明日から漬物はありがたく頂こうと言うか,むにゃむにゃ.
アトリトゥトリの「契約」が気になっていたが,モグがマートに質問してくれた.
マ「それはじゃな・・・」
ヒドイ手合わせに付き合わされたり,弁当に入っていた漬物をかわりに食べさせられるためだけに呼ばれたり,眠れないときに一晩中羊の数を数えさせられたり,する,そんな契約らしい.
ノ「それは地獄クポ・・・」
そこまで漬物が嫌いなんだ・・・.
戦中戦後に漬物ばかりを食べて嫌いになったと言うリアルな話を聞いたことがあるが,アトリトゥトリも水晶大戦で大変な目にあったのかも知れない.そう思うと憐憫の情を覚えるし,罪悪感もひとしおだ.ぐぬぬ.
ノ「どうしてマートがそれを知っているクポ?」
マ「・・・そ,それはあれじゃ.噂で聞いたんじゃよ」
マートが契約の中身を知る理由は明らかだったが,これから「契約仲間」となるマートに冒険者は突っ込むことを止めた.
一緒にヒツジを数えようね・・・.
予想外の「契約」の中身を知り,少し落ち込む.
せっかくレベル 99 に成れると言うのに,達人の下っ端に格下げされたような気がして・・・.
それを見かねたモグが慰めてくれる.
ノ「落ち込むのはよくないクポ」「きっとそういう経験も鍛錬に繋がるクポよ.これからも,がんばれクポ~!」
結局,無邪気なだけでモーグリは良い奴なんだよな・・・と,これまでのムチャクチャ具合には目をつむって抱きしめたくなる.
何度か死にかけた気がするけど.タマゴを生む身体になったけど.一応乙女なんですけど.
そんな冒険者を遠くから眺めるふたり.
これまでを見守ってきたマートにとって,冒険者のその成長は「涙腺が緩くなって困る」ようだった.
だが,アトリトゥトリはそんなマートを諫める.
ア「感慨に耽るのはまだ早いよ,マート」「世界を背負うことができるのは,ほんの一握りだ」
ア「彼らにはもっと,がんばってもらわないとね.これからのヴァナ・ディールのために・・・」
彼らの見上げる空には,いくつもの綺羅星が輝く.ヴァナ・ディールを見守るそれら星々の一つに冒険者が至ることを,彼らはいつまでも祈っているのだった.
こうして,レベルの上限が 99 になるのだった.
率直に言って Lv80 以降の限界突破クエストは,私的には,全体的にちょっとノリがイマイチだったなと言う印象.モグに引っ掻き回されるのは嫌いじゃないけど(笑)
せっかくデーゲンハルトと言うライバルが登場したのだから,師とそのライバルの戦いを間近で見て,巻き込まれて,あるいは師の替わりに立ち上がることで限界を突破していく・・・的な展開があれば燃えたかなぁと(笑)
あれだけ偉大に見えたマートが,達人との「契約」に怯える一介の老人風になってしまったのは,強さのインフレが激しいバトル漫画的ノリではあるのだけれど・・・.ちょっと寂しい.
アトリトゥトリの存在はちょっと唐突過ぎた.最後の試練は,あれは人間パーティで倒せるものなのだろうか.アイテムレベル 119 の方達が居ればいけるのかな.Lv70 マート戦はソロでギリギリ倒せる調整が行われていて前世では阿鼻叫喚だった.さすがにそこまでの調整は難しいと思いつつ,まったく成す術が無いバトルはちょっと大味過ぎるのでは?と思ってしまった.アイテムを使用した場合も極端すぎた.「弱体アイテム」の存在は知っていたので,「夢想阿修羅拳」の使用頻度を落とすレベルかなと思ってたのだが・・・.FF11 はジョブが多いし,サポジョブによって組み合わせも生じるし,で,他のゲームに比べても調整の難易度が高いだろうから,勝手な事は言えないけれど.
Lv99 の開放は当初予定に無かったはずなので,全体的にリソースが足りなかったのかも知れない.でも,緻密なシステムとシナリオで成り立つ FF11 のなかで,この一連の限界突破の流れは,なんだかちょっと勿体ないな,と全体的にそう思えた.
さて,これでバハムートへの再戦の準備は整った.んじゃないかな.きっと.
勝てなかったらどうしようと思いつつ,取り敢えず頑張ってみるゾー!